2011年9月2日金曜日

中国とインドの制海権争い

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朝鮮日報 記事入力 : 2011/09/02 10:42:05

中国とインド、制海権争いが激化

 数十年にわたり陸上で国境紛争を繰り広げてきた中国とインドは、インド洋や南シナ海でも制海権をめぐって激しい神経戦を繰り広げている。

 中国は南シナ海に面したニャチャン港を訪問したインドの軍艦を公海上で制止した。
 これに対抗し、インドは中国がベンガル湾付近の公海上で漁船に偽装してスパイ船を送り、インド軍の弾道ミサイル演習を監視したと批判した。
 アジアの人口大国に浮上した両国の間で、軍備競争が本格化している。

■中国軍艦、インド軍艦に航行理由尋ねる

 英紙フィナンシャル・タイムズは1日、複数の消息筋の話として、インド海軍の戦車揚陸艦「アイラバーダ」が7月下旬、ニャチャン港を訪問後、帰国途中に正体不明の中国軍の艦船に遭遇し、所属と国際水路を航行する理由を尋ねられたと報じた。
 両国の艦船が遭遇したのは、ベトナム領海を抜けてすぐの地点だった。

 アイラバーダのニャチャン訪問は、ベトナム政府の公式発表ですでに明らかにされていたことから、中国はインドをけん制したのではないかとみられている。
 インド政府関係者は
 「世界のどの国の海軍艦船も公海上を航行する権利がある。
 排他的な権利を主張したり、通行権を問題視する国は決して容赦しない
と話した。

 中国がインド軍艦のベトナム訪問に敏感に反応するのは、ベトナムがニャチャン港にインド海軍の駐留を求めるなど、両国が軍事協力を強化しているためだ。

■中国、スパイ船をインド洋に

 インドも反撃に乗り出した。
 インドのNDTVは8月30日、漁船に偽装した中国のスパイ船がベンガル湾に近いアンダマン諸島付近の公海上でインドのミサイル演習を監視していたため、インドの軍艦が出動したところ、中国船はスリランカ方面に移動したと報じた。
 インドの軍艦がこの漁船を制止することはなかったため、両国の間で衝突はなかったという。

 インド情報当局によると、この漁船は同じ海域に4カ月近くとどまっており、船内には22の実験室があるという。

■軍備競争がエスカレート

 両国は経済面に続き、軍備面でも競争をエスカレートさせる見通しだ。
 中国は今年、初の空母の試験航行を実施したのに続き、ミサイル防衛(MD)システムの構築に取り組んでいる。
 インドもこれに対抗し、
 来年までに300億ドル(約2兆3000億円)相当の最新戦闘機、潜水艦などを輸入することを決めた。
 インドは2014年までに、中国の核弾道ミサイルを迎撃できるMDシステムを整備する計画だ。





朝鮮日報 記事入力 : 2011/09/05 10:31:29

南シナ海に米ステルス艦展開、中国高速艇に対応



 米国がこのほど、就役から1年しかたっていない次世代の高速ステルス艦1隻を南シナ海に実戦配備したことが分かった。

 中国の新華社電は4日、米タイムズの報道を引用し、米国の最新型高速ステルス艦「インディペンデンス」がシンガポールから香港に至る南シナ海の航路上に配備されたと伝えた。
 中国、ベトナム、フィリピンなどが領有権を争う南シナ海に米国が最新型の戦闘艦を配備したのは、同海域での中国の独走をけん制する狙いとみられる。

■陸海空で立体的な作戦可能

 インディペンデンスは昨年1月に就役した米国の新しいタイプの沿岸戦闘艦だ。
 武装ヘリ2機、無人ヘリ1機の計3機、装甲車3台を搭載している。
 水深が浅い沿岸地域で陸海空にわたる全面的な作戦遂行が可能な能力を備える。
 ステルス機能を発揮するため、船体の外部をアルミニウム製とし、騒音を軽減する特殊エンジンシステムを採用した。
 1隻当たりの価格は4億4000万ドル(約339億円)だという。

 米国がインディペンデンスを南シナ海に配備したのは、同海域で海軍力のバランスを保つ目的が大きい。

■中国海軍のステルス高速艇に対応

 インディペンデンスの配備は、中国が今年初め、南シナ海に投入した022型ミサイル高速艇に対応するためとみられる。
 同高速艇はやはりステルス機能を備えており、乗組員数12人と小型だが、数分間隔でミサイル8基を発射できる性能を備えている。
 10隻が編隊を組めば、80発のミサイルを撃ち、目標を焦土化することもできる。

 中国は南シナ海を管轄する南海艦隊に同型高速艇を数十隻配備したとされる。
 中国と南シナ海をめぐり対立するベトナム、フィリピンが今年、米国と相次いで南シナ海周辺で合同軍事演習を実施したのも、中国のステルス高速艇配備に大きな脅威を感じたからとされる。

 新華社の報道によれば、米専門家は
 「インディペンデンスは対潜作戦能力、機雷除去、偵察・監視、兵力投入などあらゆる面で、これまで明らかになっているどの中国艦船よりも優れている」
とみているという。
 中国はインディペンデンスの配備にもかかわらず、2日にベトナムと領有権を争う西沙(パラセル)諸島に大型漁業指導船「漁政306」を派遣するなど、同海域での制海権確保に積極的に動いている。




朝鮮日報 記事入力 : 2011/09/06 09:58:14
http://www.chosunonline.com/news/20110906000026

「ベトナムが最も厄介」 南シナ海問題で中国紙

 中国紙が、南シナ海で領有権紛争を繰り広げている国のうち、もっとも厄介な相手はベトナムだとする記事を掲載した。
 ベトナムは兵力だけで見れば、中国にとって脅威とは言えないが、団結力が強く、粘り強いために相手にするのは容易でないとの見方だ。

 5日付北京晩報は、南シナ海で中国と領有権を争うベトナム、フィリピン、インドネシア、マレーシアについて、軍事力と戦略を中心に競争力を評価した結果、ベトナムに最も高い点数を与えた。

 ベトナムは今年6月、南シナ海上で大規模な実弾射撃演習を行ったほか、1979年の中越戦争以来32年ぶりの徴兵令を出すなど、南シナ海の紛争当事国でも最も積極的な動きを見せている。
 同紙はベトナムについて、海兵隊を中心に上陸作戦、防衛演習がしっかりと行われており、ベトナムが紛争地域を占領すれば、中国の反撃は容易ではないと分析した。

 ベトナム海軍の兵力は4万‐5万人で、軍艦100隻余りはいずれも小型であり、ミサイルではなく大砲で武装しているものが多い。
 海軍兵力25万人に空母まで保有する中国の海軍力とは比較にならないほど劣勢だ。
 しかし、ベトナムは最近、ロシアから潜水艦を導入し、戦力を拡充している。
 南シナ海問題で米国など他国と共同戦線を張っていることも、ベトナムの戦略として目を引く。

 一方、兵力が3万人余りのフィリピン、1万人余りのマレーシアは、全体的な戦力がベトナムに比べ劣ると評価された。





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