2011年9月7日水曜日

86万人の「人間時限爆弾」 



● オンラインゲームに熱中するゲーマー。
   最近は青少年だけでなく大人のゲーム中毒者が新たな社会問題となっている。




朝鮮日報 記事入力 : 2011/09/07 15:30:19
http://www.chosunonline.com/news/20110907000067

86万人の「人間時限爆弾」 
大人のゲーム中毒者たち
就職・家庭不和のストレスで毎晩ゲーム漬け

 ソウル市冠岳区に住む就職活動中の男性(27)は、12日の秋夕(チュソク=中秋節)が近づいても実家に帰省する予定はない。
 もう3年も帰省していないのだ。

 実家には「就職活動のため特別講座を取るから」などと理由を告げているが、実際は連休のたびにネットカフェでオンラインゲームに明け暮れている。

 この男性は
 「ゲームしかしない無気力な生活をやめたくて精神科に相談したこともあるが、就活のストレスでまたゲームをしてしまう」
と話す。
 男性は、この1年間ほぼ毎日ネットカフェで1日12時間以上ゲームをして過ごしている。
 一晩中ゲームをしているため、日中はただ寝るだけという生活が続いている。

 この男性のように成人のゲーム中毒者が、殺人などの凶悪犯罪に及んだり、家庭不和に陥り、離婚するケースが増えている。

 韓国情報化振興院が昨年調査したインターネット中毒の実態調査によると、19-39歳の成人のインターネット中毒率は5.6%(約86万6000 人)に達した。
 今年6月に開設した中央大学医療院(ソウル市銅雀区)の「ゲーム過剰カウンセリングセンター」に登録している患者も、105人のうち51人が20歳以上で、成人の割合は48.6%になる。以前は青少年のゲーム中毒が社会的に注目されたが、最近は大人のゲーム中毒が深刻なレベルに達しているのだ。

 特に、失業や家庭不和といった問題を抱える大人が、ストレスを解消するためゲームに熱中し、中毒になるまで何の手も打たないまま過ごし、無差別殺人など極端な犯罪を引き起こす可能性もある。

 米国の名門大学を中退した男(24)は昨年12月、
 「6カ月間家に引きこもり、オンラインゲームだけをして過ごしていたが、急に人を殺したいという衝動に駆られた」
として通行人を凶器で刺し殺した。
 同月、忠清南道天安市では1日10時間以上ゲームに熱中していた男(27)が、ゲームの最中に2歳の息子を部屋で暴行し、首を絞めて殺害した。

 ゲーム中毒が原因で離婚につながるケースも多い。
 大法院(日本の最高裁判所に相当)は2009年、ネットゲームに熱中し、子育てなど家事を顧みない場合は離婚の理由として認められるという判決を下した。
 この裁判では、夫(44)が結婚後もほぼ毎日、午前1-2時まで1日6時間以上ネットゲームに熱中するなど中毒状態にあった。

 大人のゲーム中毒は青少年期に始まることがほとんどだが、青少年とは異なり、親をはじめとする家族がゲームをしないよう監視するのは難しいため、問題はより深刻だ。
 中央大学神経精神科のハン・ドクヒョン教授は
 「少しゲームに夢中になった場合でも青少年なら親が病院に連れて来るが、大人の場合、中毒症状がひどくなってから相談センターに訪れるケースがほとんどだ」
と話す。

 ゲーム中毒になる大人が増えている一方で、解決策は青少年を対象にしたものばかりということも問題だ。

 今年11月には満16歳未満の青少年が深夜から午前6時までゲームにアクセスできないようにする「シャットダウン制度」が導入される。
 しかし、大人のための規制は議論すらされていない。

 漢陽大学医学部精神科のアン・ドンヒョン教授は
 「ゲーム中毒にかかった20-30代の大人たちは慢性化しているケースがほとんど。『大人は自制できるのでゲームにはまらない』という考え方は間違っている」
と警告している。


 ゲーセンに入り浸りというのは日本でも普通にあることだし、昔はサラリーマンがよく喫茶店でインベーダーゲームに夢中になっていたが。
 今はどうなっているのだろう。





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