2011年9月13日火曜日

犬が人を殺せば飼い主が懲役刑に

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NICHIGO PRESS 2011年9月13日
http://nichigopress.jp/ausnews/news/27858/

VIC、犬が人を殺せば飼い主が懲役刑に

飼い主の飼育責任を重視
 VIC州政府は、間もなく新法案を提出し、これが通過すれば、飼い犬が人を襲って死なせた場合には、
 飼い主が懲役最高10年の刑に処せられる。
 8月に、メルボルン郊外で、アフリカ難民の家族を隣人の飼っていたピット・ブル・マスティフが襲い、家族の住宅まで侵入、母親の脚にしがみついてた4歳のアイエン・チョルちゃんを噛み殺すという悲惨な事件が起きた。
 犬はその後法律に基づいて薬殺されたが、しばしば起きる犬が人を襲うという事件には、飼い主の重大な過失を問う市民の声が高まっており、アイエンちゃん事件の後、VIC州政府は、犬が人を襲った場合には、飼い主の過失致傷・致死に相当する罰則を科するよう法改定すると約束していた。

 9月13日、ピーター・ウォルシュ農業相が議会に「犯罪法」改定法案を提出する予定で、ウォルシュ大臣は、
「猛犬の飼い主にはっきりとしたメッセージを送る法案だ。
 もし飼い犬が人に危害を加えたり、死なせることがあれば、飼い主が責任を取らなければならないということだ」
と述べた。
 改定法案は、危険な犬、人に脅威を与える犬、または飼育規制犬が、人を危険に陥れたり、死なせた場合に、飼い主がそのような事故を未然に防がなかったことについて、4種類の違反を犯罪法に追加しており、いずれの違反も禁固刑または懲役刑の罰則を規定している。
 ウォルシュ大臣は、
 「犬が人を死なせた場合には、飼い主は危険運転で人を死なせた場合と同じ罰則を規定している」
と述べている。
 また、危険な犬の飼い主が、責務を怠った場合の罰金も増額されている。
 たとえば、飼い主が、危険な犬または飼育規制犬を飼っており、その犬が逃げた場合、あるいは犬の飼育住所が変わった場合に、所轄自治体への届け出を怠った場合には、最高$2,442の罰金が科せられる。
 また、飼い主の地所で危険な犬または飼育規制犬を適切に拘束しなかった場合にも同額の罰金で、飼い主の地所の外で犬を適切に管理しなかった場合の罰金は$4,885に増額されている。
 また、飼い主の地所の外に飼育規制犬を連れ出す場合には、警報首輪をつけなければならない。
 飼育規制犬を売却したり譲渡することは全面的に禁止される。

 未登録の飼育規制犬については9月30日までのモラトリアムが出されており、10月1日以降、未登録の飼育規制犬、たとえば未登録のアメリカン・ピット・ブル・テリアが見つかった場合には、その犬は没収薬殺される。
 危険犬通報ホットラインにはこれまでに229件の電話があり、このホットラインは匿名電話も受け付けている。
 ロバート・マクレランド司法長官は、州、準州の司法長官に通達を送り、11月の司法長官会合で全国統一の猛犬関係法制定を話し合う。(AAP)




NICHIGO PRESS 2011年10月16日
http://nichigopress.jp/ausnews/politics/29254/

QLD、犬の加害は飼い主に刑事罰
州政府が州刑法改定法案

 10月16日、QLD州政府は、QLD州刑法改定法案を発表した。
 この法案は、猛犬による人身事故多発を受けて州政府が検討してきたもので、VIC州でも同様な動きが出ている。
 法案が成立すれば、犬が人を襲って死傷させた場合、飼い主が最高10年の懲役刑に処せられることになる。
 QLD州政府の発表した法案は、特に重傷や死亡など極端な場合のみに適用されるもの。

 ポール・ルーカス法務大臣は、
 「VIC州で起きたアイエン・チョイちゃんが犬に襲われて死亡した事件で、QLD州内でも猛犬関連法案について議論が巻き起こっている。
 州刑法に「犬の危険管理」違反行為を導入する改定案は、
 「猛犬の飼い主の刑事責任を明らかにするもので、犬を飼う人達に対して重い責任があることを大きな声ではっきりと訴えている。
 飼い犬が人を死傷させた場合には、現行の刑法の故殺罪を適用することも可能という答申もあったが、特に条項を設けることで一切のあいまいさを払拭した」
と述べている。(訳注:manslaughter=故殺は現行日本の殺人関係の法とは区分に違いがある)
 さらに、
 「危険運転による死傷に対しても特に条項が設けられ、一般的な故殺罪によらずに特定の行為を裁くことができるようにしたのと事情が似ている。
 これは、飼い犬が人を襲い、死傷させた場合に、飼い犬の安全管理を怠り、事故を予防しなかった飼い主に対して刑事責任を問うもの。
 圧倒的大多数の飼い主は責任感のある飼い方をしており、十分な事故予防措置をしていたが、それでも飼い犬が人を襲った場合の適用を意図していない」
と述べている。
 政府は、法案を議会に上程する前に、地方自治体、動物虐待防止協会(RSPCA)、ブリーダーなど関係者と協議し、必要な変更を行う。(AAP)





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