2011年9月30日金曜日

ソフトウエアに適正価格を:ソフトウエア産業活性化策

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● 朝鮮日報(表示が逆のようである)




朝鮮日報 記事入力 : 2011/09/30 10:03
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/09/30/2011093000704.html

ソフトウエア産業活性化、KT会長の決断

1.ソフトウエアに適正価格を
2..開発企業に著作権付与
3..持費用を国際水準に

 韓国通信大手KTの李錫采(イ・ソクチェ)会長が、韓国のソフトウエア産業再生に乗り出した。
 これまで韓国のどの企業も試みたことがない「実験」に挑む。

 KTは来年から外部企業が納品したソフトウエアの品質を評価し、優秀な製品には開発費を増額して計上することを決めた。
 ソフトウエアの著作権もKTに帰属するのではなく、開発業者に付与することにした。
 国産ソフトウエアより外国産ソフトウエアを優遇してきた慣行もなくす。

 ともすると当然のことのように見えるが、企業や官公庁の多くは現在、そうせずにいる。
 李会長は29日、ソウル市内で記者懇談会を開き
 「社内で費用負担がかさむという反対意見も多かったが、われわれが率先してソフトウエアの調達慣行を変えていくことを決めた。
 業界に大きな(変化の)雪崩が起きるはずだ」
と述べた。

 KTは年内に具体的な評価基準を作成し、来年には300億‐500億ウォン(約19億7000万‐32億8000万円)の相当のソフトウエアを新しい方式で調達する。
 15年には新方式による調達規模を3000億ウォン(約196億8000万円)に拡大する。
 KTは現在、年間6000億ウォン(約393億6000万円)規模でソフトウエアを発注している。

■ソフトウエアに適正価格を

 これまで韓国では、ソフトウエアの開発代金の支給方式が建設現場の日雇い労働者と同様だった。
 ソフトウエア業界で「人頭税方式」と呼ばれるもので、開発に投入される人数に労賃をかけたものを納品価格としてきた。
 韓国ソフトウエア産業協会が政府の支援を受け、毎年調査、発表する労賃単価が基準となっている。

 例えば、大卒者の労賃は「初級技術者」として16万2682ウォン(約1万700円)、修士卒の労賃は2年以上の経歴を積めば、「中級技術者」として同20万8943ウォン(約1万3700円)に設定される。
 投入される人材の能力は反映されない。
 まるで廃品回収業者が古雑誌をはかりに掛け、買い取っていくようなやり方だ。
 中小ソフトウエア企業で働いて6年目になる男性(33)は
 「開発者が徹夜で働いても付加価値を認めないため、建設労働者と同様だ。
 決められている労賃単価も守られず、ダンピングで下請け受注することが多い」
と実情を語った。

 李会長は
 「こうした環境では、(アップルの)ジョブズ最高経営責任者(CEO)のような天才も月1200万ウォン(約78万円)程度の技術者にしかなれない。
 これでは到底良いソフトウエアなど生まれるはずがない」
と指摘した。
 KTは今後、人件費の代わりに商品価値を評価し、ソフトウエア開発費を算定する。
 10人が開発したソフトウエアが100人がかりで開発したソフトウエアよりも性能が良ければ、開発人数が少なくても品質に見合う値段を付けるという意味だ。

 KTはまた、ソフトウエアが完成する前でも、開発費を最大50%先払いし、資金負担を軽減する対策も講じる。
 このほか、1000億ウォン(約65億6000万円)を投じ、優秀な開発会社5社程度を買収し、開発者がその資金を元手にして、新たにチャレンジできるようにする構想も明らかにした。




朝鮮日報 記事入力 : 2011/09/30 10:05
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/09/30/2011093000709.html

【社説】ソフトウエアに適正価格、KTの試み

 サムスン電子は、グーグルが開発した基本ソフト(OS)の「アンドロイド」を搭載したスマートフォンとタブレット型パソコンについて、一定金額の特許使用料の支払いを決めた。
 同時にマイクロソフトと特許を共有し、ウインドウズフォンの開発とマーケティングでも協力することにした。
 サムスンはリナックス財団、インテルと提携し、スマートフォンなどに応用する別のソフトウエアの開発にも取り組んでいる。
 アップルとの特許戦争に押されることなく、グーグルに過度に依存することも避けようとする布石だ。

 世界のIT企業のこうした複雑な協力、提携、競争関係で、重要なのはハードウエアとソフトウエアの結合だ。
 マイクロソフトとサムスン、ノキアが手を結び、グーグルがモトローラを買収したのは、ハードウエアとソフトウエアのどちらかに偏っていては、生き残りが難しいためだ。

 しかし、韓国のIT産業では、ハードウエアとソフトウエアのバランスが崩壊して久しい。
 過去数十年にわたり、ソフトウエア産業が冷遇された結果、韓国国内で実力あるソフトウエア人材を見つけるのは難しい。
 最大の原因は、政府と大企業のソフトウエア調達方式にある。
 ソフトウエアの納品を受ける際、開発者の学力、経歴による等級と日当だけで価格を押し付けている。
 ソフトウエアの性能や価値は関係ない。
 スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツが韓国で起業したならば、大学中退の学力しかないため、日当8万ウォン(約5200円)台の初級技能者としての待遇しか受けられない。

 韓国ではソフトウエアの所有権と知的財産権を開発者ではなく、発注企業が保有する。
 このため、韓国のソフトウエア開発業者は、同じ製品を他の企業の販売することができない。
 それゆえ、特定企業に従属しないと、生き残れない立場に置かれ、海外市場で市場のスタンダードとなるような製品の開発など考えられない。

 KTは今回、韓国のソフトウエア産業の発展を阻害している古い慣行を完全に打破しようと乗り出した。
 ソフトウエアの調達方式を変更し、人件費だけで価格を算定せず、開発業者の専門性、ソフトウエアの将来価値を評価し、適正価格を付けることにした。
 納品を受けたソフトウエアの所有権と知的財産権も開発業者に与えることにした。

 韓国のIT産業がこれからも競争力を維持するためには、ソフトウエア産業をまず再生させなければならない。
 ソフトウエアに適正価格を支払うことにしたKTの試みはその第一歩だ。
 政府や他の大企業も、ソフトウエアに対する認識を改めなければならない。







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