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サーチナニュース 2011/09/15(木) 16:24
日本経済は近日中にV字回復を成し遂げる=中国人有識者
中国社会科学院日本所経済室の張季風主任はこのほど、東日本大震災から半年が経過したことを受け、「震災後の日本の回復は想像以上に早い」とする論評を発表した。
中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。
以下は同論評より。
東日本大震災から半年が過ぎた。日本の震災後の復興は想像以上に速いスピードで進んでいる。
大震災が鉱工業生産に落としていた負のかげりは3月をピークに徐々に縮小している。
その根本的な原因は、被災地の道路など社会インフラや産業基盤が大きな被害を受けなかったことにある。
東北地方の産業は、主に海岸から遠く離れた内陸に集中しており、被害は地震によるものだけで、津波の襲撃は受けなかったため、被害は限定的だった。
また、マクロ的に見れば、今回の大震災は有形の資本には被害を与えたものの、日本の人材や技術などの実力は損なわれることがなかった。
これは、日本が致命傷を受けていないことを意味している。
しかも、金融危機の時と比べ、外部の国際市場はなんら影響を受けておらず、日本にエネルギー、資源がなく、また市場がなくても、戦後、廃虚から立ち上がった時のように人材、技術、海外市場に頼ることができる。
今回の大震災では、日本の一番の長所である人材、技術は被害を受けておらず、国際市場の環境も好転を見せている。
しかも、日本企業の再生能力はたくましく、生産は早期に回復してきている。
実際、震災から1カ月後の4月中旬、被災地の企業の産業チェーン断絶の問題はすみやかに緩和され、解決していた。
経済産業省が4月26日に発表した
「東日本大震災後の産業の実態緊急調査 製品サプライチェーンに対する影響」
という調査では、4月8日から15日の期間、65%以上の被災地企業はすでにさまざまなルートを使って、産業チェーン断絶問題を解決していた。
うち、材料、部品を生産する企業は65%、加工型企業は76%を占めていた。
被災地の企業はすでに6割方完全に生産を回復し、3カ月以内に完全に生産を回復した企業は90%以上に及んでいる。
2011年5月11日、ソニーはこの会社の東北被災地にある12カ所の部品工場がすべて生産を回復したと発表した。
ホンダも7月、国内の部品不足問題は全面的に解消されたと発表した。
日本の自動車製造業は5月時点で80%まで生産を回復している。
日本自動車工業会によれば、5月の自動車製造は3月、4月と比べ、下降幅が明らかに縮小したと明かしている。
部品供給が改善されたことを受け、6月の生産は90%まで回復した。
日本の製造業の15%を占める自動車製造分野の正常化は、今後、日本経済の復興に多大な影響を与えるだろう。
ほかにも、3月、4月の大震災で日本鉱工業が大きな被害を受けたといっても、2010年財政年度全体の年度指標からすると、鉱工業の生産指数は8.9%で、1988年以来の最高値となっている。
経済成長指数も同様で、2010年財政年度は2.3%のプラス成長で、ここ20年来で比較的良好な伸びを見せている。
また、最近の日本企業の収益の回復も加速しており、多くの企業は震災後生産調整などによってある程度損失を吸収している。
ホンダは2010年度(2011年3月決算期)で純利益が5340億円に及んでいるが、これは前年度同期比2倍の成長だ。
同じくトヨタも純利益4682億円、前年度同期比で3.1倍の増加を見せている。
これは、ほかの月の売り上げが3月の震災損失を吸収しているといえるだろう。
2011年度も同じような状況があれば、4月はおそらく生産数はやや低下しているが、世界の外部市場は被害がなく大いに需要がある。
5月以降、生産規模が拡大されていく様子が見られる。
具体的なデータで見ると、鉱工業の生産指数は4月には1.6%のプラス成長、5月は6.2%、6月は3.8%と、まさに段階的に回復しているのがわかる。
そのほかの主な経済指標も徐々に好転している。
日本の経済成長率は2011年第1四半期は同期比3.6%のマイナスだったが、第2四半期には1.3%のマイナス、確かに連続3四半期のマイナス成長ではあるが、確かにそのマイナス幅は縮小している。
もしかすると、第3四半期日本はプラス成長に転じる可能性もあるだろう。
加えて、野田新内閣が誕生し、日本政局の混乱も一度は落ち着きを見せるだろう。
野田佳彦氏は菅政権時の財務大臣であり、震災以来、日本の財政政策の主な策定者であり、推進役でもあった。
積極的に円高に対応し、震災後の日本経済安定に貢献してきた人物である。
野田氏は、増税で震災復興資金難を解決することを主張している。
第一補正予算、第二次補正予算と「震災復興基本法」「特例公債法案」「再生可能エネルギー特別措置法案」の策定と通過でも、辣腕(らつわん)を振るった。
野田新首相は、これまでの経済路線を遂行するだろうし、経済政策の継続性は保証できるだろう。
世界経済が思わぬ大変化を起こさない限り、日本経済は近日中にV字回復を成し遂げるだろう。
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サーチナニュース 2011/09/16(金) 14:58
中国は今後も日本の重要な投資先になる=中国人有識者
中国社会科学院日本所経済室の張季風主任は日本の対中投資がピークに達すると予測する論評を発表した。
中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。
以下は同論評より。
東日本大震災の発生後、急激な円高、企業の経営効率の回復、海外投資能力の高まり、大地震の回顧、中長期的な産業構造調整の圧力などの要因により、日本の対外直接投資と産業移転はある程度拡大すると予想される。
中国は今後も日本の重要な投資先になる見通しだ。
その理由として、以下の4点が挙げられる。
①.中国経済はまだ高成長段階にあり、世界経済をけん引するようになっている。
さらに重要なのは、中国が「世界の工場」から「世界の市場」に変わりつつあることだ。
②.日中間の高級品産業の技術にまだ大きな差があり、日本企業の対中投資に大きな空間がある。
③.給与などのコストは上昇しているが、中国での総合的なコストにはまだ競争優位性がある。
④.長年にわたる改革開放の成果が、競争優位性を持つ産業環境を作り出した。
特に、日本企業による中国沿海地区への投資が一定規模に達したことは、日本からのいっそうの「集中的」な投資に非常に有益となる。
日本の国際経済交流財団が行ったアンケート調査によると、日本の製造業企業は中国、ASEAN(東南アジア諸国連合)、米国を今後のおもな投資先に選び、中国を最重視する企業は半数にのぼった。
このアンケートは、企業の中期経営計画(今後3年)をもとに実施したもの。
日本政府は近年、インドとの関係を重視しているが、アンケートの投資計画でインドはわずか17.8%にとどまり、中国の83.2%を大きく下回った。
ここから、中国が日本の海外投資と産業移転から得るチャンスは非常に大きいことがわかる。
東日本大震災の発生後、日本企業が中国から撤退するとの懸念が強まった。
ところが、日本企業は中国から撤退しなかったばかりか、対中投資を増やした。
2011年1―6月の日本の対中直接投資額は実質ベースで35億ドル、前年同期比の伸び率は63%に達した。
投資先を地域別で見ると、中国は香港と台湾に次いで3位となった。
日本の対中投資が急増した理由は以下の4点が考えられる。
①.ここ5年、日本の対中直接投資は低迷状態が続き、それ以前の投資は消化しつくされ、回復期が到来した。
②.政府の方針のもと、日本企業は対中投資を控えた。
その一方で、インドやベトナム、ブラジルなどへの投資を増やしたが、期待していたような効果が得られず、企業は再び中国に投資するようになった。
③.近年の中国の対日投資の急速な増加が、これまでの日本が一方的に中国に投資していた状況を変えた。
2010年末時点で、中国の対日直接投資額(金融商品を除く)は9億ドルに迫った。
対日投資の急速な増加は日本の対中直接投資をけん引した。
④.大地震の影響で、日本企業は産業が国内市場に集中すればリスクが高く、災害に備えて海外に拠点や生産施設を建設する必要があると認識するようになった。
また、中国は高成長段階にあり、収益率が高く、市場規模も大きいため、市場開拓型の対中投資を増やすのは当然の動きである。
インドやASEANなどと比べて社会インフラが整い、投資環境が良い中国は、日本企業の災害に備えた拠点、生産施設になるのにふさわしい国である。
発足まもない野田内閣が直面している最大の問題は、震災後の再建と景気回復だ。
そのため、経済においてアジア、中でも最大の貿易相手国である中国を重視した外交政策を採る可能性がある。
日中間の経済協力環境は良くなると見られ、そうなれば日本企業の対中投資にもプラスとなる。
さらに、日本は政治において米国と同じ道を歩み、国防分野で中国をけん制する態度を取ることも考えられる。
そうなれば、日本企業の対中直接投資もある程度の影響を受ける。
しかし総合的に見ると、妨害要因は促進要因より小さく、日本の対中直接投資の拡大が揺るぐことはないだろう。
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サーチナニュース 2011/06/07(火) 10:25
震災受けた日本経済、いまだ失墜せず=中国人有識者
日本問題研究家の陳偉氏はこのほど、「日本経済いまだ失墜せず」とする論評を発表した。
中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。
以下は同論評より。
世界の製造メーカーは春を愉快に過ごすことはできなかった。
日本の大震災のため、製造メーカーは相次いで販売予想を調整せざるを得なかったからだ。
中国でまず悲観的な気持ちになったのは自動車製造業だ。
東日本大震災の発生以来、中国最大の自動車メーカーの1つである広州汽車集団股フェン有限公司は「日本の地震で、当社の5月の生産台数は30%前後減少する」との考えを示した。
また、台湾の精密機器受託生産企業である富士康(フォックスコン)にも当てはまる。
日本からの部品供給が不足したことから、同社の第1四半期の利益はすでに30%減少、次の四半期に立ち直れるどうかはやはり未知数だ。
部品・材料の欠乏から、富士康の生産ラインは随時、停止する恐れがある。
突如やって来た大災難は人びとを驚愕(きょうがく)させ、同時に、日本人が念入りに構築した産業チェーンがすでに全世界を網羅(もうら)し、現地の経済と深く結びついていることを気がつかせた。
いったん、突然に関係がなくなれば、極めて大きな痛みを感じるのみならず、もともと日本に深く依存していたことに嘆息(たんそく)する。
今日に至るまで、われわれの日本に対する理解は表面的なものに留まっており、われわれが日本ビジネスの研究を軽視したのは、傲慢無知な気持ちによって左右された結果だと言える。
■日本は失墜したか
1990年代、日本人は自ら「失われた10年」に入ったと宣言し、経済成長は停滞し、長期にわたる低迷状態は人びとを意気消沈させた。
30年前とは異なり、今回については西側諸国は日本人の自己評価を認めているようだ。
問題は、外部の日本への理解が机上の空論かどうかである。
われわれは彼らの沈黙の表面下にある強大な力を軽視したのではないか。
いわゆる「失われた10年」のうちに、日本企業はたくみに布石を敷き、慎重に行動し、大半の産業でもっとも重要な一部を占めた。
著名企業の日立は家電市場で利益を得る戦略をほぼ放棄し、日本と中国のインフラ、重工業及び核エネルギーの分野へと転向、進出した。
金融危機の間、中国政府は経済を刺激するため、4兆元を投入して国内総生産(GDP)成長を促進した。
日立はこのチャンスを捉え、重慶や武漢など中西部地区のインフラ整備に設備とエネルギー技術を提供することで、09年までにこのプロジェクトで莫大(ばくだい)な利益を稼いだ。
■GNPの10%超す成長
日本を代表する企業、ソニーとパナソニックは、いわゆる「失われた10年」の間、売上高が減少することはなく、むしろ大幅増となった。
1992年3月の決算は、ソニーの売上高はおよそ2兆円、パナソニックは約5億元。
01年3月決算では、売上高がソニーは7兆3000億円、パナソニックは7兆6000万円だった。
日本の中核部品メーカーは強大な力をもち、海外の競合を荒涼たる地に追いやっている。
あまり知られていないが、日本のミネベアは世界最大の軸受メーカーであり、全世界の航空機の90%がミネベアの軸受を使用している。
またアルパインは、自動車やカメラ、工業設備生産関連のマイクロエレクトロニクス設備を専門としており、ジェネラルモーター(GE)の前総裁は意味深長に「GEの95%はアルパイン製品がなくてはならない」と語ったことがある。
こうした顕在的かつ潜在的な業界の勝者の足跡は世界の隅々まで広がっており、他者より勝る技術とビジネス嗅覚で世界のビジネス地図を呑み込み、高額な利益を得ている。
日本は「失墜した」と言うのは、多少なりとも独断を免れない。
もともと日本国内に加えるべきGDPが産業チェーンの下流の国々で計算されているため、多く人に日本の経済成長は停滞していると誤解させる。
反対に、国民総生産(GNP)で比較した場合、日本は依然として年十数%の猛烈な成長を維持している。
日本の著名な製造業研究の専門家、藤本隆宏氏はこのように比喩(ひゆ)している。
日本の全世界におけるビジネス分布は、一種の「がんが空中を飛ぶ形態」である。
本土の企業ががんの頭部であり、最上流の製品と技術を掌握している。
次が韓国と台湾で、主に日本の技術の関連事業に従事している。
最後は中国が演じる「がんの尻尾」の役柄であり、日本の製造業のために組み立て作業を行い、産業チェーンの最下流に位置している。
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