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NHKニュース 2011年9月23日 18時57分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110923/t10015808011000.html
ニュートリノは光より速い?
名古屋大学が参加した国際研究グループによる実験で、素粒子の1つニュートリノが光より速いという結果が出たと発表されました。
アインシュタインの相対性理論では、質量のある物質は光より遅いとされるため、これと矛盾する実験結果として今後、論議を呼びそうです。
この実験はCERN=ヨーロッパ合同原子核研究機関など、各国の研究機関で作る国際共同研究グループが行ったもので、日本からは名古屋大学などが参加しています。
実験では素粒子の1つニュートリノをスイス・ジュネーブ郊外にあるCERNの研究所から発射し、730キロ離れたイタリア中部にある地下の研究所で観測して速度を測定しました。
2つの研究所の間の距離を精密に測り、時計も高精度に同期させたうえで、3年間、1万5000回に上る観測結果を解析したところ、光の速さで予想される時間よりも1億分の6秒=60ナノ秒早く到着しているという結果になったということです。
アインシュタインの特殊相対性理論では、質量のある物質は光より速く移動することができないとされ、今回の実験はこれと矛盾する結果になっています。
また、なぜニュートリノが光より速いのか、理論的な説明も示していません。
研究グループは
「この結果が科学全般に与える潜在的な衝撃の大きさから拙速な結論や物理的解釈をするべきではない」
とする異例のコメントを発表して世界の科学者や関係学会に実験結果の精査を求めており、今後、論議を呼びそうです。
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GIZMODE 2011.09.23 05:22
http://www.gizmodo.jp/2011/09/post_9411.html
CERNが光速超える粒子発見!アインシュタインの相対性理論ピーンチ!
天地が引っくり返る大ニュース!
欧州原子核研究機構(CERN)が約1万6000個のニュートリノをイタリアに飛ばしたら、なんと光速より速く到着してしまったそうですよ!!
これが本当なら「宇宙には光速より速く移動できるものは存在しない」とアルベルト・アインシュタインが1905年に提唱した特殊相対性理論が打ち破られ、物理を塗り替える革命となります。
実験では約1万6000個のニュートリノをジェノバにあるCERNの研究所から地下経由で732km先の伊グラン・サッソ国立研究所に発射しました。
すると2.43ミリ秒後に到着。
このヒットした時間の記録は国際研究実験OPERA(Oscillation Project with Emulsion-tRacking Apparatus)の粒子検出器に残っていたものです。
つまり計算すると...
「光速より60ナノ秒、速い。」
許容誤差は、たったの10ナノ秒。
そ、そんな馬鹿な...と思って1万5000回もニュートリノの塊を飛ばしまくってみたのですが...
やっぱり同じ。
にわかには信じられない話ですけど、いちおう科学界に正式な発見としてカウントしてもらえる統計的有意性を得たことで、先ほど(米時間木曜)発表に踏み切った次第ですね。
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ハンギョレ・サランバン 2011年09月24日09:10
http://blog.livedoor.jp/hangyoreh/archives/1541917.html
"事実なら 天動説→地動説転換より大きな衝撃"
‘光より速い物質がある’波紋
現代物理学の土台‘揺さぶる’…宇宙誕生から書きなおさなければ
科学者たち "信じられない"…実験信頼度に疑問
事実なら時間旅行も可能 "ニュートリノ、時空を飛び越えることも"
ヨーロッパ粒子物理研究所(CERN)が3年余にわたって実施してきたいわゆる‘オペラ’(OPERA・Oscillation Project with Emulsion-tRacking Apparatus)実験研究で‘ニュートリノ’が光より速いことが明らかになったという発表に大部分の科学者は‘信じられない’という反応を示している。
1905年に初めて主唱されいかなる理論の挑戦にも動揺することなく‘真理’のように受け入れられてきたアインシュタインの‘相対性理論’を根元から揺さぶるためだ。
ソウル大物理学科キム・スボン教授は
「実験結果が事実なら、物理学界には天動説から地動説に変わった以上の衝撃」
と話した。
同様な主張が過去にも何度も提起されたが権威ある研究所の実験結果という点で今回はその重さが違う。
光の速度は‘時間と空間は一つであり、その中で全ては相対的’という相対性理論で唯一変わらない基準であった。
唯一質量が‘0’である粒子である光は、理論的に当然一番速い粒子でなければならない。
現代物理学の多くの理論はそれを前提に派生して作られた。
だが、極微とは言え質量を持つニュートリノが光よりさらに速いということが事実と証明されれば、
この粒子の質量が‘マイナス’であったり、
質量があっても光より速いこともありうるということになる。
どちらであっても現代物理学理論では不可能なことだ。
チョン・ジェスン カイスト バイオおよび脳工学科教授は実験結果が事実である場合
「今まで宇宙の誕生から全てのものを説明してきた理論の土台が根本的に揺れる」
として
「人間が宇宙を完全に誤って理解していたという意味」
と話した。
まだ大部分の科学者は実験の信頼度に疑問を示している。
米国メリーランド大学物理学部のトゥル~ベイドゥン教授は
「(光より速い物質があるということは)笑い話」
としながら
「他の研究陣によって事実と判明される時までは信じられない」
と
CERNもまた、この結果を論文草稿オンライン登録サイト(ArXiv.org)に上げ公開セミナーなどの討論に送られることを期待している。
すでに他の多くの科学者らもこの実験の検証に入った。
だが、この実験を再現するに足る設備が殆どないということが問題だ。
日本の陽子加速研究団や米国のフェルミ研究所程度だけが検証可能だが、2ヶ所の装備はCERNの設備よりは性能が劣ると知られた。
実験の信頼度よりは他の理論で結果を説明してみようとする科学者もいる。
ドイツ、ドルトムント大学のハインリッヒ フェスは
「実験が事実ならば
ニュートリノが(光より速いというのではなく)時空間を飛び越えることができる能力を持っている
こともありうる」
と英国<ガーディアン>に話した。
ニュートリノは太陽が核融合をする時や原子力発電所で核分裂をする時に発生する物質で、全宇宙にぎっしり埋まっているといっても過言ではない。
キム・スボン教授は
「ニュートリノは原子の10億分の1の大きさにしかならない物質で、人の親指の爪大の面積に1秒に1000億個以上が通過するほど多い」
として
「だが、他の物質とほとんど反応しないために今のところは実体が殆ど知られていない」
と話した。
光より速い物質があるならば空想科学の領域と考えられてきた時間旅行が理論的に可能になる。
相対性理論では光の速度で動く場合、時間は流れず、それより速く動けば時間は逆に流れる、と説明している。
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東亜日報 SEPTEMBER 24, 2011 03:04
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2011092451608
「光速より速いニュートリノを観測」…相対性理論が破れるか
23日午前2時59分33秒(韓国時間)。
論文草稿オンライン登録サイト(ArXiv.org)に、「OPERA検出器で測定したニュートリノ(neutrino、中性微子)の速度」というタイトルの論文が掲載された。
論文の提出者は、OPERA検出器があるイタリア・グランサッソ国立研究所のパスクワーレ・ミリアッチ博士だった。
平凡に見えるこの論文は、世界の物理学界を驚かせた。
「ニュートリノが光速よりも速い」という内容が含まれていたためだ。
1905年にアインシュタインが特殊相対性理論を発表して以降、科学者は「光速より速いものはない」という仮定から出発し、現代物理学の枠組みを築いた。
100年以上破られなかった相対性理論は、科学者にとって宗教的信念同然だった。
研究陣の主張のようにニュートリノが光速より速いという実験結果が事実なら、現代の物理学教科書を書き直さなければならない。
SF映画のように、タイムマシンを乗って時間旅行を楽しむことが可能になるかもしれない。
●「光速より0.00000006秒早く到着」
研究陣が出した結果は、ニュートリノが光速よりも60ナノ秒(0.00000006秒)速いということだ。
研究陣は、この結果を得るために、09年から3年間、OPERA検出器で約1万6000個のニュートリノを検出し、速度を計算した。
研究陣は、スイス・ジュネーブにある欧州原子核研究機構(CERN)の陽子加速器で陽子どうし衝突させ、ニュートリノを得た。
このように確保したニュートリノを銃を撃つように732キロメートル離れたイタリアのOPERA検出器に送る。CERN加速器とOPERA検出器は地下にあり、ニュートリノは地面を通過する。
このように得たニュートリノ1万6000個は、732キロメートルの距離を平均0.00243秒で走破した。
1秒当たり約3億メートル移動し、光速より速い0.00000006秒早く目的地に到達した。
光の速度は1秒当たり2億9979万2458メートルだ。
実験どおりニュートリノが光速より速いなら、過去や未来に情報を送ることができるようになる。
時間旅行が可能になるのだ。
アインシュタインも、
「光速より速くメッセージ(情報)を送ることができるなら、過去に電報を打つことができるだろう」
と言っていた。
OPERA研究に参加する韓国側責任者のユン・チョンシル慶尚(キョンサン)大学物理学科研究教授は、東亜(トンア)日報の電話取材で、
「100人にのぼるOPERA研究陣は、実験の結果を見ても初めは信じることができず、数回確認した」
とし、
「研究者らに実験の結果に同意するか確認した後、論文草稿をオンラインに公開した」
と話した。
●測定の誤りの可能性を提起、学界は「慎重論」
しかし、今回の結果に対する学界の反応は、「慎重論」が大勢だ。
過去、2度にわたってニュートリノの速度を測定したが、光速より速いという結論には到達しなかったためだ。
00年代初期、日本・筑波にある高エネルギー加速器研究所(KEK)は、250キロメートル離れたスーパーカミオカンデ検出器までニュートリノを送ったが、光速より速いという結果を得ることはできなかった。
スーパーカミオカンデ検出器は、現存する世界最大のニュートリノ検出器だ。
07年、米シカゴにあるフェルミ国立加速器研究所も、約724キロメートル離れた地点にニュートリノを送ったが、光の速度と一致するという結論を得た。
ソウル大学物理学科の金修奉(キム・スボン)教授は、
「今回の結果が正しいと判明されるなら、これは太陽が地球の周辺をまわるという天動説から地球がまわるという地動説に移る時の衝撃のように大きい」
とし、
「実験に誤りがないのか、もう一度検討することが優先だ」
と強調した。
ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校物理学科のチョン・チャンギ教授も、世界的な科学ジャーナル「サイエンス」とのインタビューで、
「今回の実験結果は、システムの誤りによる可能性が高い」
と評価した。
チョン教授は、スーパーカミオカンデ・プロジェクトに参加する米国側報道担当を務めるほど、ニュートリノ分野では世界的な専門家だ。
チョン教授は、
「ニュートリノがスイスから出発し、イタリアに到着するまでにかかった時間を正確に測定できない可能性が高い」
と述べた。
これに対して、OPERA研究陣は、ニュートリノの「飛行」時間を全地球測位システム(GPS)とセシウム原子時計を使って10ナノ秒未満で非常に精密に測定し、距離測定の誤差も約20センチメートルと非常に小さいと主張した。
一方、今回のことで、ニュートリノの研究は一層活発になるものとみえる。
ニュートリノは、「小さい中性子」という意味で、宇宙を構成する基本粒子だ。
質量を持つ粒子の中で最も軽い。
ニュートリノは宇宙にいっぱいあるが、目には見えない。
物質と反応することもない。
宇宙から飛んでくるニュートリノは、1平方センチメートルの面積に1秒当たり1000億個が人間の体を通過するが、何の影響も及ぼさない。
地表面も貫通する。
そのため「幽霊粒子」という別称もある。
』
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その後
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jiji.com 2011/11/18-22:16
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011111801009
再試験でも「超光速」=GPS計測は変わらず-素粒子ニュートリノ・国際チーム
素粒子ニュートリノが光より速く飛ぶことを実験で観測した
と発表した国際研究グループ「OPERA(オペラ)」は18日、再試験や再解析でも同様に光より速いとの結果が出たと発表した。
ただ、距離や時間の測定は前回と同じ全地球測位システム(GPS)などを使っており、同グループの小松雅宏名古屋大准教授は
「GPSを使わない方法での検証も検討している」
と話している。
同グループは、9月の発表で使ったデータからノイズを削除して解析し直したほか、スイス・ジュネーブの欧州合同原子核研究所(CERN)から発射するニュートリノビームの発射間隔を変えるなどして再実験を実施。
約730キロ離れたイタリア中部の研究施設までのニュートリノの到達時刻が
光(秒速約30万キロ)より約60ナノ秒(1億分の6秒)速い
との結果は、変わらなかったという。
小松准教授は
「最初の結果に寄せられた疑問点は再実験でクリアできた。
残っているのは(スイス・イタリア双方の)時計の同期や遅延測定の部分だが、GPSを使わない方法でより精度の良いものもあり、検証方法を検討している」
と話している。
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2012年3月16日22時01分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120316-OYT1T00985.htm
ニュートリノの速さ「光と差がない」と別チーム
欧州合同原子核研究機関(ジュネーブ)で観測された光より速いニュートリノの真偽をめぐり、同じ装置を使った別の研究チームが15日、独自の測定では
「ニュートリノの速さは光と差がない」
とする論文をインターネット上で発表した。
この研究チームは、超光速ニュートリノの観測を報告したOPERAチームと同じニュートリノ生成装置や時刻データなどを使用。
約730キロ・メートル離れたイタリアの研究所まで届く時間を計測した。
OPERAチームとの違いは、ニュートリノの検出器だという。
計測の結果、ニュートリノは見かけ上、光速より100億分の3秒早くイタリアに達したが、
これは誤差の範囲であり「光速と差はない」と結論づけた。
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