2011年9月13日火曜日

フランス核関連施設爆発事故

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● FNNニュース



FNNニュース 2011/09/13 18:06
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00207428.html

フランス核関連施設爆発事故 
フランス政府は「収束宣言」も、一部市民から不安の声


 フランス南部の放射性廃棄物の処理施設で12日、作業員5人が死傷する爆発事故が発生した。
 原因究明が進む一方、周辺国には不安が広がっている。
 
 運営会社ソコデイ社のウェブサイトでは、
 「ここに見えるのは、原子力施設で使用した金属です。
 これらの保守・管理などに使用された機械は、ここで処理されます」
と紹介している。
 これは、12日、爆発事故で作業員1人が死亡、4人が重軽傷を負ったフランス南部マルクールにある「廃棄物集中処理センター」を紹介する映像。
 爆発は、核関連施設で使用された低レベルの放射性金属廃棄物を溶かす溶融炉付近で起きた。

 フランスのコシウスコモリゼエコロジー相は
 「モニタリング調査でも、工場内部だけではなく、外部への放射能漏れも一切ありません」
と述べた。
 IAEA(国際原子力機関)フランス政府代表部のマンギン大使は
 「これは『産業事故』であり、『原子力事故』ではありません」
と述べた。
 この事故を受け、フランス政府やIAEAは、
 「放射能漏れは確認されなかった」
と発表した。
事故からおよそ4時間しか経過していない日本時間12日日午後11時には、「事故は完結した」と、収束を宣言した。

 しかし、一部の市民からは、不安の声も上がった。
 マルセイユ市民からは、
 「チェルノブイリの事故と同じように、現段階では何が起こっているのかわからない」、
 「日本での事故を考えると、今回の事故も重大な事故になる可能性もあるのでは」
との声が聞かれた。
 事故が起きた核関連施設は、住宅街からわずか数kmの地点にある。
 この施設がある地区には、運転を停止し、現在解体中のフェニックス高速増殖炉や、プルトニウムを混ぜたMOX燃料(混合酸化物燃料)製造工場など、多数の核関連施設が集まっていて、日本でいえば、茨城県の東海村にあたるような地区だという。

 今回の事故を受け、13日、東海村の住民は、
 「不安だよ。 不安だけれども、だって、皆さん『不安...』って言うけれど、電気を使わないでいられるの?」、
 「東海村に長年住んでるから、別に、そういうあれ(不安)はないんですけど、やっぱり危ないからね。
なければないに、こしたことはないでしょうけど」
と話した。
 今回、事故が起きたこの施設を実際に訪れたことがあるという細野豪志原発事故担当相は
 「放射性物質を扱う施設の中でいうと、比較的ですね、いろんな意味でのリスクの少ない施設なんです。
 ですから、この施設の火事が起こったから、例えば再処理とか高速増殖炉のあり方が、何か大きく変わるということではなくて」
と述べた。




NHKニュース 2011年9月13日 18時24分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110913/t10015578101000.html

仏原子力当局“事故は終結”

 フランス南部で12日、放射性廃棄物を溶かす処理施設で爆発が起き、5人が死傷した事故について、原子力安全当局は、施設には大きな損傷はなく、放射性物質も漏れ出ていないとして、「事故は終結した」という見解を示しましたが、付近の住民からは、事故当時、十分な情報提供が行われなかったとして、不安の声も上がっています。

 この事故は、フランス南部のマルクール地区にある原子力関連施設で、12日、低レベルの放射性廃棄物を溶かす処理施設が入った建物で爆発があり、従業員1人が死亡、4人がけがをしたものです。
 フランス原子力安全機関の調査によりますと、事故当時、この施設では、原子力施設から出る低レベルの放射性廃棄物のうち、金属製の部品およそ4トンを高温で溶かしていたということです。
 爆発が起きた原因は、依然、明らかになっていませんが、原子力安全機関は、施設に大きな損傷はなく、放射性物質も漏れ出ていないとして、これまでに「事故は終結した」という見解を示しました。
 事故が起きた区域は、MOX燃料の加工施設や、プルトニウムを作り出すために稼働させていた原子炉など、フランスでも原子力施設が最も集中している地域の一つです。
 フランス政府は、原子力安全を所管するコシウスコモリゼ・エコロジー相を現地に派遣し、事故原因の究明を急いでいますが、付近の住民からは、事故当時、十分な情報の提供が行われなかったとして、施設の安全が十分に確保されているのか、不安の声も上がっています。




毎日新聞 2011年9月15日 10時57分(最終更新 9月15日 12時37分)
http://mainichi.jp/select/world/news/20110915k0000e030033000c.html

仏核施設爆発:廃棄物の除去作業中に 事故当日、運転再開


●フランス南部ガール県マルクールの位置

 【パリ福原直樹】フランス南部マルクールにある低レベル核廃棄物処理施設の溶融炉爆発事故で、炉は先週、複数箇所で故障して停止され、事故当日に運転が再開されたばかりだったことがわかった。
 爆発は作業員らが炉周辺にこびりついた廃棄物の金属片を除去する作業中に起きていたことも判明。
 捜査当局は、事故の背景に修理・作業ミスなど人的要因があるとみている。

 仏原子力当局の関係者によると12日、作業員らが金属棒を使って除去作業中に爆発。
 1500度の炉に入っていた金属片が飛散し、炉の格納庫の壁を損傷させた。
 建屋の内壁は無事だった。

 溶融炉は核廃棄物の金属などを溶かし、廃棄物を処理しやすいように体積を縮小する。
 爆発当時、炉には最大容量(4トン)分の金属が入っていた。







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