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2011年08月31日17時24分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/377/143377.html?servcode=100§code=120
【コラム】中国母艦効果
航空母艦はお金の塊だ。
金を食うカバだ。
人民日報電子版によると、排水量6万トン以上の空母の建造には約35億ドルがかかるという。
ここに載せる艦載機、空母を護衛する巡洋艦・駆逐艦、補給をする輸送船などをすべて合わせた空母艦隊を構成するのに100億ドル(約10兆8000億ウォン)が必要となる。
これよりやや小さい中型空母艦隊は50億ドル、軽空母艦隊は20億ドルほどかかるという。
これで終わらない。
空母は海上に浮かんだ瞬間から維持・管理に大金がかかる。
平均的に空母艦隊の8年間の維持費は艦隊全体の建造費に匹敵するという。
中国内でも「こうした費用を負担してまで空母を持つべきなのか」という疑問が出ているようだ。
非効率的な投資を指摘する納税者の主張も制限的ではあるがインターネット上に出回っている。
これを意識してか、中国官営メディアは経済的な根拠として空母建造を合理化する記事を数多く出している。
こうした記事は空母建造を大規模な公共投資と見なしている。
政府は財政を投入して景気を良くするが、今回はその通路が空母ということだ。
最近、世界的な景気沈滞で中国造船業は過剰設備を抱えている。
リストラすべきところに空母特需が生じた。
造船業だけでなく、電子・航空・エンジン・電池・コンピューター・家具などの関連業種にも波及した。
中国株式市場では「空母テーマ株」が上昇気流に乗った。
また空母建造・運営を通して得た最新軍事技術を民間に活用できるという期待も大きい。
空母を建造し続ければ民間の産業技術競争力も高まるということだ。
今回の空母建造にはおよそ中国企業1万社が参加したという。
空母を中心にした巨大な下請け・納品構造が雇用創出と内需拡大に一役買ったのだ。
これを根拠に「世界経済の回復にも貢献できる」という‘勇敢無双’な主張をする新聞もある。
世界金融市場を揺るがしている米国の財政危機は莫大な国防費のためだと主張したのは中国ではなかったのか。
自己合理化のための中国側の論理展開はほとんど曲芸運転レベルだ。
先日、海軍研究の権威者バーナード・コール米国防大学教授はこう述べた。
「中国は空母をさらに建造することを望んでいる」。
建造したところで幻にすぎないという皮肉に聞こえる。
また、空母が中国国防予算を食うため戦闘機・潜水艦・ミサイルなど他の武器の配置に支障が生じるという意味でもある。
中国の2011年度国防予算案は前年比12.7%増の6011億元(約940億ドル)。
ここには最新武器開発費や海外武器輸入費が抜けている。
このため米国防総省は中国の実質国防費を発表値のほぼ2倍と見ている。
中国国防予算にいくら余裕があっても限りなく注ぎ込むのは難しいはずだ。
ひとまず空母が海上に浮いただけに、今後は費用がかかっていく。
「ワリャーグ」の威容を支えるのは中国の自尊心だけではない。
結局はお金だが、中国がどれほど注ぎ込むつもりなのか気にかかる。
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お金というのは回っていないといけない。
昔、オイルダラーというのがあった。
金が産油国に集まり過ぎて、世界の各地で金詰りが発生した。
そのため、産油国は入ってきた金をいろいろなものに投資して、お金の流通をよくした。
中国もいま同じようなことをやっている。
溜まり過ぎたお金は世界的な問題を起こす。
とはいっても、国内では使い切れない。
しかたがないので、世界のあちこちの不動産や産業を買っている。
空母もその一つである。
お金をドブにすてないと、世界の経済は回らない。
回らなければ、そのつけは周りめぐって中国に返ってくる。
「金を使え!」
お金を使うには、空母は最適である。
国威高揚になるし、高度技術の取得にもなる。
造船技術などはもうはるか昔に完成したもの。
言い換えれば船舶などというのは、鉄の塊にすぎない。
こんなものの技術力でああでもないこうでもないといったってたかが知れている。
いまは、それを高精密に動かすソフトの比重が高い時代に入ってきている。
鉄の重さが価値ではない。
仮想空間の重さが鉄を上回ってた価値になってきている。
その最たるものが航空母艦である。
その重さ分のソフトを中国は生み出せるのか、という問題がある。
ロシアもヨーロッパもアメリカも、この部分については教えてくれない。
つまり、お金で買えない。
これがつらい。
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