2011年8月20日土曜日

日本車の新燃費目標、リッター20・3キロ

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● 読売新聞より


2011年8月20日 読売新聞

日本車の新燃費目標、リッター20・3キロ
国原案「厳しさ世界最高水準」

 経済産業省と国土交通省は19日、2012年度をめどに導入する乗用車の新たな燃費基準の原案を発表した。

 燃費目標を2020年度までに09年度の実績値に比べて24・1%改善することを義務づける。
 自動車会社ごとに、全車種の販売台数の平均値で基準達成を判断する。各メーカーにとっては人気車種の燃費改善に力を入れれば達成しやすくなる制度にして、技術開発を促す。

 新基準の燃費目標は、ガソリン1リットルあたり20・3キロ・メートルとなる。
 09年度の走行実績値の同16・3キロ・メートルから大幅な改善を求めるものだ。
 15年度までの現行の燃費基準に比べ、19・6%の改善が必要になり、経産省は
世界最高水準の厳しさ
としている。

 また、新基準が導入するメーカーごとの全車種の平均値は、販売台数に応じた加重平均で算出する仕組みにする。
 メーカーは、燃費の良い車をたくさん売れば、基準をクリアしやすくなる。
 現行規制は、車両の重量別に16段階に分けて燃費基準が設けられ、車種ごとに基準をクリアする必要がある。

 両省は9月まで意見を募集し、年内に最終案を決める方針だ。
 燃費基準規制は省エネ法に基づき1999年から導入され、3回目の改定となる。
 自動車の燃費表示については、従来は「10・15モード」が使われてきたが、今年4月発売以降、実際の走行に近づけた新燃費測定方式「JC08モード」が義務づけられている。
 新たな燃費基準も「JC08モード」となる。


毎日jp 毎日新聞 2011年8月20日 東京朝刊

乗用車:燃費20.3キロ義務 
20年度、全車種平均24%改善--新基準案

 ◇国際競争力を強化
 経済産業省と国土交通省は19日、乗用車の新たな燃費基準案を発表した。
 20年度までに全車種平均で09年度実績比24・1%改善するよう義務づける。
 同時に車両の重量区分で規制する現行方式から、メーカーごとに販売台数を加味した全車種平均で達成を求める方式に改める。
 得意車種で燃費改善を進めると基準をクリアしやすくなり、日本メーカーの国際競争力強化につなげる狙いもある。
 一般からの意見を募った上で来春の導入を目指す。

 09年度に国内で販売された新車の平均燃費は、ガソリン1リットル当たり16・3キロ。
 現行基準は15年度までに同17キロの達成を求めているが、新基準はさらに20・3キロへの向上を義務づける。
 ハイブリッド車(HV)は対象に含めるが、販売台数が少ない電気自動車とプラグインHVは対象外とする。
 HVの普及などで燃費水準は改善が進んでいるが、省エネと温暖化対策の観点から一段の向上を求める。

 世界的には、欧州連合(EU)が
20年までにガソリン1リットル当たり24・4キロ
の基準を決定。
 米国でも
25年までに同23・1キロ
の基準案が先月発表された。

 測定方式などが異なり、単純比較はできないが、経産省は「日本の新基準は欧米並みに厳しい」としている。

 一方、一部車種で達成できなくても、メーカーごとに販売台数を加味した全車種の加重平均で達成すればよい欧米方式に変更。
 すべての重量区分で基準を満たすよう求める現行制度では研究開発投資が分散しがちだったが、新制度は
「メーカーが独自技術を生かして特定車種に集中投資できるようになり、全体として燃費改善も進む」(経産省)
という。

 海外生産・販売の比率が高いメーカー側は既に世界基準を前提に新車開発を進めており、トヨタ自動車は主力のHV「プリウス」や小型車などでは新基準をほぼ達成している。
 ホンダもHVでは全車種が既に新基準を達成済み。
 日産自動車や三菱自動車も今後、新型の低燃費小型車を投入する予定で、各メーカーとも今後発売される小型車は新基準をクリアする見込みだ。

 原油高を背景に低燃費小型車の需要は世界的に高まっている。
 日本メーカーは売れ筋の小型車を重点的に開発することで新燃費基準の達成とともに国際競争力の強化も図れる。

 ただ、メーカーによっては、技術力に差があり、マツダと富士重工業はトヨタからHV技術の供与を受け、HVの開発を進めているが、新燃費基準の導入によって、こうした技術提携が広がる可能性もある。
 また、大型車は新基準の達成が難しい車種も多く、車種の絞り込みを迫られる可能性もありそうだ。



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