● Image credit: CCTV
『
sorae.jp August 19 - 2011
中国、科学衛星「実践11号04星」の打ち上げに失敗
中国国家航天局(CNSA)は北京時間8月18日17時28分(日本時間18時28分)、「実践11号04星(Shijian XI-04)」を載せた「長征2号丙(Long March 2C)」ロケットを、甘粛省の酒泉衛星発射センターから打ち上げたが、衛星を所定に軌道に投入できず、打ち上げに失敗した。
失敗した原因についてはロケット側とみられるが、詳細は分かっておらず、中国側は現在調査中だとしている。
また、今月中には中国宇宙ステーションの実験第1号機「天宮1号」の打ち上げも控えているため、失敗の原因によっては「天宮1号」の打ち上げに影響する可能性もある。
「実践11号04星」は中国航天科技集団公司所属の東方紅衛星公司が開発・製造した科学衛星で、主に軌道上で宇宙科学研究と技術試験などに使用される予定だった。
なお、今回の打ち上げは長征ロケットシリーズにとって145回目の打ち上げだった。
』
『
サーチナニュース 2011/08/19(金) 09:21
中国が衛星打ち上げに失敗…
「実践11号04」軌道に投入できず
「実践11号04」軌道に投入できず
中国は18日午後5時28分、科学技術試験衛星「実践11号04」を打ち上げたが予定の軌道に投入することができず、失敗に終わった。
中国新聞社が報じた。
酒泉衛星発射センター(甘粛省酒泉市に隣接しているが所在地は内モンゴル自治区内)で長征2号丙(長征2C)を用いて打ち上げたが、ロケットに異常が生じた。原因は分析中という。
**********
◆解説◆
中国は1957年12月から1960年6月まで、ソ連からロケット技術の供与を受けた。
約2年半で終了したのは、中ソ対立が発生したため。
中国はそれ以降、独自で宇宙技術の開発を進めた。
1995年1月には打ち上げ直後の爆発で少なくとも20人が、1996年2月には打ち上げ直後の打ち上げ関係者の家族用の住宅地への落下で 500人以上が死亡するなど大事故を起こしたが、その後、長征シリーズは75回連続して打ち上げに成功するなど、安定した実績を残している。
』
『
サーチナニュース 2011/08/19(金) 18:07
中国が衛星打ち上げ失敗…
「回数多すぎ負担過多」の指摘
「回数多すぎ負担過多」の指摘
中国のインターネットメディア「環球網」は19日、米国の報道を引用しながら、科学技術試験衛星「実践11号04」の打ち上げに失敗した背景に、打ち上げ回数の過多があると指摘する記事を掲載した。
中国は18日午後5時28分、科学技術試験衛星「実践11号04」を打ち上げたが、使用したロケットの長征2号丙(長征2C)の故障で予定の軌道に投入することができなかった。
記事は「実践11号04」の打ち上げについて、同シリーズの「実践11号03」の打ち上げから、わずか3週間後だったと指摘。
それ以外の衛星を含め、中国は1週間内に3回、衛星打ち上げを試みた。「あきらかに多すぎ」という。
長征2号丙は1996年2月に打ち上げ直後の墜落で多数の死傷者を出す大事故を起こした以降は、「実践11号04」まで連続して打ち上げに成功してきた。
そのため、中国の衛星打ち上げは長征2号丙に頼る傾向が強まり、同ロケットに関係する一連の作業でも負担が多すぎるようになっていたという。
中国は、初の宇宙ステーション「天宮1号」を8月末までに打ち上げる予定だ。
また、有人宇宙飛行の「神舟」計画、月探査と有人着陸を目指す「嫦娥」計画も進めている。
さらに、
ナビゲーションシステムの「北斗」、
海洋観測衛星の「海洋」シリーズ、
宇宙関連ビジネスとして外国の通信衛星打ち上げ
にも取り組んでいる。
ナビゲーションシステムの「北斗」、
海洋観測衛星の「海洋」シリーズ、
宇宙関連ビジネスとして外国の通信衛星打ち上げ
にも取り組んでいる。
**********
◆解説◆
記事を読み、どうしても思い出してしまうのが「中国の高速鉄道」だ。
日本など国外から技術供与を仰ぎ、試験的に導入していた時点では問題がそれほど出なかったが、北京・上海間など長距離の路線を建設し、自主技術を取り入れた車両を大量に投入してから、故障が多発するようになり、大事故も起こしてしまった。
中国には、「少数精鋭」で高性能の産品を作る場合、かなり高い信頼性を発揮できる特徴がある。
「宇宙開発」はその1例で、1950年代後半から 60年にかけてソ連からわずか2年半しか技術供与を受けていないのにもかかわらず、自力で開発を進めることができた。
1990年代には大事故を起こしたが、それでも全体として打ち上げの成功率は極めて高い。
しかし中国の技術応用には「適用範囲を急拡大させた際に、欠陥が浮上する」という傾向もある。
高速鉄道もその一例であるし、一般向け工業製品に問題が多発することとも
「製造量をある程度以上にした場合の、歩留まりの急落」
の問題と解釈できる。(編集担当:如月隼人)
』
『
レコードチャイナ 2011-08-19 19:11:27 配信
中国が実験衛星打ち上げに失敗、
「週に3度はさすがに多すぎ」―NASA
「週に3度はさすがに多すぎ」―NASA
2011年8月18日、米航空宇宙局(NASA)は公式サイトで、中国が実験衛星「実践11号04星」の打ち上げに失敗した理由について、
「1週間に3回も衛星を打ち上げるという過密スケジュールにある」
と指摘した。
19日付で環球網が伝えた。
中国は18日、実験衛星「実践11号04星」を打ち上げロケット「長征2号丙」に搭載して打ち上げたが、軌道に乗らず、失敗に終わった。
原因は「長征2号丙」の故障とされている。
記事によると、「長征2号丙」が失敗したのはこれまでの35回の任務で初めて。
中国が衛星打ち上げに失敗したのも、 1996年2月に続きわずか2度目である。
中国は今年に入り9回衛星ロケットを打ち上げているが、
今週に入ってからは3回というハイペース。
今週に入ってからは3回というハイペース。
NASAはこれが打ち上げ失敗の大きな原因であると指摘した。
米国の宇宙専門サイト「space.com」も今回が「7日間で3度目の打ち上げ」と紹介し、前回の16日に山西省の太原衛星発射センターから打ち上げた海洋観測衛星「海洋2号」は軌道に乗せることに成功したと伝えている。
』
『
サーチナニュース 2011/08/31(水) 11:41
中国の月探査機「嫦娥2号」がラグランジュ2に到達…高精度保つ
● 写真
中国が2010年10月に打ち上げた月探査機の嫦娥2号が25日午後11時24分、太陽-地球ラグランジュ2に到達した。
国家国防科技工業国が明らかにした。
ラグランジュ点とは、公転の関係のある2天体の周辺に存在する、重力場と“遠心力”が安定的につりあった場所だ。
2天体が公転関係にある場合にラグランジュ点は5カ所存在する。
グランジュ点は「位置エネルギーのすり鉢状の底」でもあり、探査機を送り込めば、軌道修正などをしなくても安定してとどまらせることができる。
嫦娥2号が到達したのは「太陽-地球ラグランジュ2(太陽-地球L2)」と呼ばれる場所。
地球からの距離は約150万キロメートルで、地球-月間の約4倍の距離だ。
嫦娥2号は2010年10月の打ち上げ後、高い精度の軌道を得ることができたため、推進剤の消費が少なく、余った推進剤で月周回軌道を離脱させ、太陽-地球L2に送り込むことが可能になった。
6月8日と9日にスラスター(推進機)を噴射させて月周回軌道を離脱させた。
太陽-地球L2に到達するため3回か4回の軌道修正を実施する予定だったが、やはり軌道の精度が高かったため、修正は6月20日に1回実施するだけですんだ。
衛星の状態は極めて良好という。嫦娥2号は寿命が尽きるまで、宇宙空間探査を行う。
超微小重力下での機器の作動状態の確認も平行して進めると考えられる。
**********
◆解説◆
ラグランジュ点はフランスの数学・物理学・天文学者のジョゼフ=ルイ・ラグランジュ(1736-1813年)が存在を数学的に証明した。
ラグランジュは英国のアイザック・ニュートン(1643-1727)が原理部分を完成させた古典物理学における数学的扱いを大きく前進させ、力学を一般化させた解析力学を確立した。
群論(抽象代数学)を創設したエヴァリスト・ガロア(1811-1832)などと並び、近代フランスが生み出した最高の数学者の1人でもある。
』
『
サーチナニュース 2011/09/02(金) 13:57
中国初の宇宙ステーション、打ち上げを延期
…ロケット信頼性に疑問
中国載人航天工程(有人宇宙プロジェクト)の報道担当者は1日、中国初の宇宙ステーションとなる「天宮1号」の飛行計画を調整すると発表した。
打ち上げに用いる長征2号Fロケットの信頼性を確認する必要が生じたためという。
「天宮1号」は当初、8月中に打ち上げる予定だった。
中国新聞社が報じた。
中国は8月12日、科学技術試験衛星「実践11号04」の打ち上げに失敗した。
現在は同衛星の打ち上げに使った長征2号Cについて、故障原因の調査を進めている。
「天宮1号」に使う長征2号Fについても、「長征2号Cと同系列のロケット。
「天宮1号」は中国初の宇宙ステーションで、主な目的は技術確立のための試験の実施。
特に重要とされるのが、無人の神舟8号、有人の同9号とのドッキングだ。
神舟8号は当初、8月26日の打ち上げが予定されていた。
すでに酒泉衛星発射センター(内モンゴル自治区)に持ち込まれたが、現在は待機中だ。
「天宮1号」の打ち上げは、衛星打ち上げに失敗した長征2号Cにかんする調査の状況により決める。
』
_