2011年8月18日木曜日

サムスン(三星)の危機:揺れる韓国

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 グーグルのモトローラ買収は韓国企業を恐怖に陥れている。
 たかだか、携帯電話のことではないか。
 と、日本人は思う。
 なにしろこの分野で日本はガラパゴス化してしまい、カヤの外でのんびり昼寝している。
 誰がお山の大将になろうとさほどの痛みはない。
 使わせてもらえば十分十分といった、ところになっている。
 が、韓国はそういうわけにはいかない。

Cnet Japan  2011/08/17 11:48

モトローラ買収とグーグルの法的戦略の方向性--特許ポートフォリオ強化に至る背景

 おそらくはテクノロジ業界の大手ライバル企業による特許訴訟攻撃から身を守るため、Googleは125億ドルを費やしてモバイルハンドセットメーカーのMotorola Mobilityを買収することになった。

 Googleは米国時間8月15日、モバイルハンドセットメーカーのMotorolaを1株あたり40ドルで買収すると発表し、テクノロジ業界を震撼させた。
 1株あたり40ドルというのは、12日終値時点のMotorola Mobilityの株価に63%プレミアムを乗せた計算になる。

 Googleの最高財務責任者(CFO)であるPatrick Pichette氏はMotorola事業について、Googleの中核を占める検索およびソフトウェア事業とは別に運営されることになると述べたが、今回の買収によって、同社の関心が、核となる能力であるソフトウェア開発から離れてしまう可能性もある。
Googleは今後、従来の事業に加えて、ハードウェア製造業にも取り組まなければならなくなった。

 80年にわたり事業を続けているMotorolaは、現在の市場で最古の携帯電話メーカーの1つだ。
 実際、同社は最初の商用携帯電話を開発している。GoogleにとってMotorolaが魅力的な買収ターゲットになったのは、おそらくMotorolaが携帯電話およびモバイル通信事業において、そうした長い歴史を持っているからだろう。
 Motorolaはうらやましいほどの知的財産の宝の山を持ち、それは、巨大なテクノロジ企業たちからの増大する特許訴訟攻撃に「Android」が対抗する上で助けとなる可能性がある。

 Googleの最高経営責任者(CEO)であるLarry Page氏は今回の買収を説明するブログ投稿で、Motorolaの強力な特許ポートフォリオが買収を決める上で大きな要素になったと述べた。

 「われわれは先日、MicrosoftとAppleを含むさまざまな企業が結託して、Androidに対する反競争的な特許訴訟攻撃を仕掛けていることを説明した。
 先ごろのある特許オークションの結果を受けて、米司法省は『オープン・ソース・ソフトウェア・コミュニティーにおける競争と革新を保護』するために介入を余儀なくされた。
 そして米司法省は現在、Nortelオークションの結果について調査を行っている。
 GoogleによるMotorolaの買収は、競争を促進するだろう。
 Googleの特許ポートフォリオが強化されることで、われわれはMicrosoftやAppleなどの企業による反競争的な脅しからAndroidを効果的に守れるようになる」(Page氏)

 Android OSが最初に開発されたときから、Googleの戦略は、そのオープンソースソフトウェアをあらゆるハードウェアメーカーが無料で利用できるようにすることだった。
 このアイデアは、Motorolaやサムスン、HTCといったハードウェアメーカーがソフトウェア革新の大半をGoogleに任せて、ハードウェア周りの革新に注力できるようにすることで、Appleの閉鎖的な「iOS」プラットフォームに対抗するというものだった。
 Googleは同時に、ライセンシーにソフトウェア使用料を請求するMicrosoftに戦いを挑むこともできた。

 Androidの戦略は成果を上げてきた。
 Androidプラットフォームはわずか3年で、スマートフォン向けモバイルOSの頂点まで駆け上った。
世界の39の携帯電話メーカーおよび213の通信事業者と協業しているGoogleによれば、1日あたり55万台以上のAndroidデバイスがアクティベートされているという。

 しかし、Androidの成功は競合他社、とりわけ独自の競合モバイルプラットフォームを提供するMicrosoftとAppleの反感を買った。
 先ごろSun Microsystemsから特許ポートフォリオを取得したOracleも、Googleに対して特許戦争を仕掛けている。

 OracleはSunから手に入れたJava関連の特許ポートフォリオを使って、Androidを追い込んでいる。
 その一方で、憎い敵であるAppleとMicrosoftは結託して、Novell、および破産したNortel Networksから特許を買い上げた。
 Googleによれば、特許を手にするこれらのグループの狙いは、GoogleにAndroidデバイス1台あたり15ドルのライセンス料の支払いを強制して、ハンドセットメーカーがAndroidプラットフォームを使用する際のコストをつり上げ、あわよくばAndroidの成長を阻害することだという。
 特許保有者はまた、Barnes & NobleやHTC、Motorola、サムスンなど、すでにAndroidソフトウェアを使用している企業もターゲットにしている。

 Googleの最高法務責任者(CLO)であるDavid Drummond氏は、
「スマートフォンには25万件もの(概して疑わしい)特許クレームが絡む可能性があり、われわれの競合他社はこれらの非常に疑わしい特許に関連して、Androidデバイスが消費者にとってより高価なものになるための『税金』を課したいと考えている」
と述べた。
 「彼らはメーカーがAndroidデバイスを販売するのを困難にしたいと考えている。
新しい機能やデバイスを開発して競争する代わりに、訴訟を通して戦いを挑んでいる」(Drummond氏)

 ここで登場するのがMotorolaだ。
 同社は1万7000件以上の取得済み特許を含む特許ポートフォリオを保有している。
 さらにそれとは別に、すでに出願済みで認可待ちの特許も7500件持っている。
 この特許ポートフォリオは、Nortel Networksが売却した特許グループよりも相当に大規模だ。

 2011年夏、AppleやMicrosoft、Research In Motion(RIM)を含む入札者で構成されるコンソーシアムが6000件のNortel特許を45億ドルで購入した。
 これらの特許が高値で落札されたことで、Motorolaは自身の特許ポートフォリオを調べ直した。
 その結果、アクティビスト投資家のCarl Icahn氏がMotorolaに対し、同社の強力なモバイル特許ポートフォリオを収益化する別の方法に目を向けるよう迫ることにつながった。

■特許を求めて

 Oppenheimerの証券アナリストであるJason Helfstein氏は、GoogleがMotorolaの買収を決定する上で決め手となったのはMotorolaの特許ポートフォリオだったと考えている。
 同氏はまた、15日午前に公開したリサーチメモにおいて、先ごろのオークションでNortelの特許が落札された価格を考慮した場合、Googleはいい買い物をしたと述べた。
 1株あたり43ドルという価格は、
「Googleがワイヤレス分野の知的財産に関して有利な立場に立ち、Androidエコシステムを訴訟から守るための、おそらく最も安価で、最も効率的な方法だろう」
と同氏は書いている。

 すべてを含めたMotorolaの知的財産ポートフォリオは、先ごろ45億ドルの現金で売却されたNortelの特許の約4倍のサイズになる。
 つまり、Googleは4倍の知的財産をわずか2倍の価格で手に入れることになる。

 実際のところ、米CNETのシニアライターであるJay Greene記者は特許をめぐるGoogleの苦悩に触れた先日の記事で、Googleが今後、特許の獲得に積極的になる可能性を指摘している。

 「Googleは、特許ゲームに参加して、革新ではなく訴訟防止に出費することを嫌悪しているように思えるが、ほかに選択肢はないと思い至ったのかもしれない」(Greene記者)

 Googleは7月、ウェブベースのクエリからサーバおよびルータまで、広い範囲を網羅する1000件の特許をIBMから購入した。
 また、Nortelが保有する特許の入札にも参加したが、ライバルのAppleやMicrosoftを含むコンソーシアムに敗れている。

 Googleは、ワイヤレステクノロジの開発を手がけるInterDigitalの特許にも目を付けていると報じられている。
 報道によると、Appleとサムスンを含むモバイル市場のほかの企業も、それらの特許を求めているという。
 また、Eastman Kodakが携帯電話にとって重要なテクノロジであるデジタルイメージング関連の特許約1100件の売却を検討していると述べるなど、将来的にさらに多くの特許を容易に手に入れられる可能性がある。

 一部のアナリストは、Googleがそれらの特許に関心を抱いているかもしれないと推測してきた。
 「BlackBerry」のメーカーで、モバイルデバイスに関連する3134件の特許および出願中特許を保有するResearch In Motion(RIM)をGoogleが狙う可能性があるといううわさまであった。
 株価が下落していたRIMは、潜在的なターゲットとして魅力的な存在になっていた。
 しかし、GoogleがMotorolaの買収を発表した今、GoogleがRIMのポートフォリオも追い求めるという可能性はかなり低くなったように思われる。

 GoogleのCLO兼シニアバイスプレジデントであるDavid Drummond氏は8月、ライバルのAppleとMicrosoftを激しく非難したブログ投稿で、Googleはより多くの特許を取得する方法を模索していくと述べていた。

 「われわれは自らの特許ポートフォリオを強化することによって、Androidに対する反競争的な圧力を軽減するほかの方法を検討している」(Drummond氏)

 15日午前に行われた投資家およびジャーナリストとの電話で、Googleの法務チームはMotorolaの特許が同社の法的戦略にどのように組み込まれていくのかは明かさなかった。
 しかしDrummond氏は、Motorolaの特許はすべてのAndroid製品の保護に役立つと考えているという。

 Drummond氏はその電話の中で、
「われわれは長い間、Androidのエコシステムを保護するつもりがあると主張してきた。
具体的な戦略について話す用意はできていないが、Motorolaがエコシステムの保護に役立つような特許ポートフォリオを保有しているのは素晴らしいことだ」
と述べた。

 この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。




朝鮮日報 記事入力 : 2011/08/18 11:31:50

韓国がソフトウエアに弱い五つの理由

 グーグルのモトローラ買収というニュースに、サムスン電子、LG電子など韓国のスマートフォン(多機能携帯電話端末)メーカーが大きな衝撃を受けているのは、韓国メーカーが基本ソフト(OS)を全面的にグーグルに依存してきたためだ。
 韓国の弱点であるソフトウエアの競争力が衝撃の背景にある。

 世界のソフトウエア企業上位100社には、韓国企業が1社も含まれていない。
韓国のセキュリティーソフトウエア大手、安哲秀(アン・チョルス)研究所でさえ387位にすぎない。
 問題は、ソフトウエア技術がテレビ、スマートフォン、自動車、造船など韓国が誇る製造業の競争力を向上させる上でますます重要な要素となっていることだ。
 韓国はこの事実を20年前から予想し
「ソフトウエアの能力を強化しなければならない」
と強調してきた。
 にもかかわらずなぜ、韓国にはマイクロソフトやアップルのような世界的なソフトウエア企業が誕生しなかったのか。

1.違法ソフトウエアが横行

 韓国企業、そして韓国の文化はこれまで、目に見えない無形資産の価値を無視してきた。
 製造業、大企業主体の産業構造もその要因となった。
 無形資産の価値を適正に認めないため、違法コピーが横行している。
 韓国ソフトウエア著作権協会によると、昨年の
韓国のソフトウエア違法複製率は41%
で、被害規模は6400億ウォン(約457億円)に達した。
 一般人が使用するソフトウエアの10個に4個が違法コピーという計算になる。
 これは
米国(20%)、日本(21%)、英国(27%)、ドイツ(28%)

など先進各国に比べはるかに高い。

 こうした違法コピーの問題が深刻になっている状況で、
個人を相手にソフトウエアを有料で販売するのは事実上不可能だ。

2.大企業中心の下請け構造に問題

 情報通信政策研究院の方碩晧(パン・ソクホ)院長は
 「中小ソフトウエア企業が現在のように大企業のシステム統合業者の下請けに縛られている社会構造では成長が難しい」
と指摘した。

 政府や公共機関が発注するシステム統合事業の場合、規模が10億ウォン(約7100万円)を超えると、中小企業が単独で入札に参加しにくい。
 審査段階で企業の安定性、過去の実績などが評価されるため、大企業にはかなわない。
 中小企業は大企業の下請けをこなすのがやっとで、その過程で納品単価も削減される。
 ある中小システム統合業者の社長は
中小ソフトウエア業者は、人件費ぎりぎりの商売にすぎない
と話した。

3.ソフトウエア業界をリードする専門家の不足

 韓国のソフトウエア人材は約71万人前後(韓国電子情報通信産業振興院調べ)だ。
 このうち77%がコンピュータールームの管理に従事しており、ソフトウエア開発を行っているのは4万人に満たない。
 関連学科を卒業した大卒者が安定的な大企業系のシステム統合業者や大企業・銀行の電算管理職を志望するため、ソフトウエア開発者はソフトウエア関連人材のわずか0.5%にすぎない。

 その上、OSの構造を設計し、創意的なプログラムを開発できる指導者級の開発者があまりにも不足している。
 サムスン電子がアップルを追撃するため、昨年から3000人を超えるソフトウエア人材をスカウトしたが、超優秀な人材は少ないとされる。
 サムスン電子の関係者は
「天才開発者はシリコンバレーに集まっている」
と話す。
 ゆえに米国のソフトウエアは強いのだ。

4.ゲームに人材集中

 優れた開発者は、現在利益を出していて、カネが稼げるNCソフト、ネクソン、NHNなどの大手ゲーム企業に集中する
 世の中と産業の流れを変えるソフトウエア開発に挑戦することはない。
 韓国のオンラインゲーム業者は、売上高が1兆ウォン(約710億円)に迫り、営業利益率は30‐40%以上に達する。
 こうした企業の求人は競争率が10倍を超える。
 ネクソン関係者は
「最近の新卒採用ではカリフォルニア大学バークレー校、ソウル大、韓国科学技術院(KAIST)といった学校出身の優秀な人材が数十人入社した」
と話した。

5.ソフトウエアは世界1位だけが生き残る

 市場調査会社のIDCによると、世界のソフトウエア企業上位100社のうち、77社が米国企業だ。
 製造業で世界最高の競争力を誇るドイツと日本も5社、4社にすぎず、ソフトウエア分野においては米国に後れを取っている。
 米国は製造業では押され気味だが、収益性がはるかに高いソフトウエア分野は独占状態だ。



 KAISTの文松天(ムン・ソンチョン)テクノ大学院教授は
「ソフトウエアの競争では、世界1位の独占企業だけが生き残る。
韓国の大企業もグローバル競争に突入する時を迎えており、それだけの力はある」
と指摘した。



朝鮮日報 記事入力 : 2011/08/18 11:28:18

韓国IT業界、グーグルの下請けに転落する恐れも

 「グーグルのモトローラ買収は、韓国の大企業がソフトウエアとハードウエアをともに備えたグローバル企業の下請け業者に転落する時代が来たことを示すシグナルだ。
 ソフトウエアがなく、ハードウエアだけを持つ韓国の大企業は結局圧倒されてしまっている」

 韓国のソフトウエア業界大手、安哲秀(アン・チョルス)研究所の創業者として知られる安哲秀・ソウル大融合科学技術大学院長は17日、本紙のインタビューに応じ、ソフトウエア企業のグーグルがハードウエア企業(携帯電話端末メーカー)のモトローラを買収したことは、ソフトウエアとハードウエアを兼ね備えなければ生き残れない時代の到来を示すものだと指摘した。
 以下は、安院長の発言要旨。

―例えば、これまで製品の生産を行う上で、サムスン電子の技術に頼ってきたグーグルが自社で製品を作り始めれば、結局サムスン電子はグーグルのパートナーから下請け業者に転落してしまう。

―グーグルが無償でソフトウエアを提供するのは、業界標準の座を確保した上で、さまざまな方法で利益を極大化させるのが狙いだ。
 少しずつ(市場を)奪っていこうとするものだ。

―こうした状況は大企業が自ら招いたものだ。
 韓国の大企業はさまざまな系列企業を持ちながら、汎用(はんよう)ソフトウエアを製作する系列企業を持つところは一つもない。
 サムスングループに「サムスンソフトウエア」という開発能力を備えた子会社があれば、こうした状況では大きな力となったはずだ。

―尻に火がついた大企業は、ソフトウエア競争力の強化を叫んでいるが、それがかえって韓国のソフトウエア業界の生態系を崩壊させかねない。

―李健煕(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長が、経営陣に「ソフトウエア人材を確保しろ」と指示したという話を聞いた韓国のソフトウエア企業は、気持ちが落ち込んだはずだ。
 これまで時間と資金を投じて育成してきた優秀な社員がサムスン電子という名のブラックホールに吸い込まれるのは火を見るより明らかだからだ。

―大企業が自ら人材を採用し、良好な施設と環境で自らソフトウエア戦士を育成しなければならない。

―資本主義社会は放置すると極端に走ってしまうというのが常識だ。
規制を緩和することも重要だが、誰から暴走した場合には、政府が公正な監視者の役割を果たすべきだ。
 しかし、韓国政府はソフトウエア産業でも公正な監視者としての役割を果たせずにいる。

―韓国政府はソフトウエア人材が育つ環境を整えるべきだ。
 ソフトウエアは起業が最も容易で、エンジニア数人が意思をともにすればよい。
 設備もオフィスも必要ないので、政府のちょっとした支援や環境整備さえあれば、起業が活性化する。

―スマートフォン分野の再編は序曲にすぎない。
 マイクロソフトが生き残りに向け、ノキアを買収する可能性が高い。
 今後はそうした流れが産業全体に広がるのではないか。
 大企業、中小企業が力を合わせ、速やかに健全なソフトウエア生態系をつくらなければならない。



2011年08月17日16時50分  [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

売上げは韓国GDPの1割、三星の克服戦略に注目

 「三星(サムスン)が直面している挑戦は三星に限られたものではない。
 韓国経済・産業界が乗り越えるべき壁だ」。

 過去最安値を連日更新しているDRAMとLCD、そしてグーグルのモトローラ買収など情報技術(IT)業界の構図変化をめぐり、産業界ではこのような分析が出てきている。
 こうした変化は三星電子だけでなく、韓国の主力産業であるIT全般を揺るがす要素であるからだ。

 輸出も懸念される。 DRAM・LCD・携帯電話は韓国の主力輸出品目だ。
 DRAMを含む半導体は昨年の品目別輸出1位、LCDなど薄型ディスプレーは4位、携帯電話など無線通信機器は6位だった。
 これら品目の単価が大きく落ち、競争力が弱まれば、輸出実績全体が打撃を受ける。

 特に韓国は輸出中心の経済だ
 主力品目の輸出に支障が生じれば、経済全体が揺れるおそれがる。
 韓国貿易協会国際貿易研究院の分析によると、昨年の成長率6.2%のうち約3分の2に相当する3.9%が輸出に依存している。
 輸出は雇用の創出にも大きな役割を果たす。
 昨年末基準の製造業雇用全体402万8000件のうち約80%の320万6000件が輸出によって生じたと、貿易研究院は推算した。

 国内経済に占める三星の比率が大きいという点でも、財界は今回の挑戦と三星の克服戦略に注目している。

 三星電子の本社基準の売上高は昨年112兆2494億ウォン。
 昨年の名目国内総生産(GDP、1172兆8034億ウォン)の約10%に相当する。

 三星グループ全体に拡大すると、昨年の売上高は254兆5615億ウォンで、GDPの22%にのぼる。
 もちろんGDPは付加価値の合計額であるため、三星グループが韓国経済に占める比率を正確に算出するには、三星が昨年創出した付加価値額を計算する必要がある。
 しかし売上高をGDPと比較するだけでも、グループや企業が国内経済に占める重要度を把握できる。

 三星電子は職員が約10万人、協力会社は約1000社で、三星グループ全体の職員は22万人を超える。
 三星グループ協力会社の従事者の家族まで合わせると数百万人の生計がかかっている。
 1位グループの三星と李健熙(イ・ゴンヒ)三星電子会長が今回の挑戦を克服しなければならない理由だ。

◇名目GDP=物価上昇率を考慮せずに計算したGDP。
これに対して実質GDPは、物価上昇に伴う生産・所得の増加、すなわち一種の「バブル」を差し引いて計算している。
記事では三星の売上高と比較するため実質GDPの代わりに名目GDPを使用した。
企業の売上高も名目GDPと同じく物価上昇率を反映していない数値であるからだ。


2011年08月18日08時33分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

ハードウェア会社の三星がソフトウェア会社の買収を推進

 三星(サムスン)電子がソフトウェア会社の買収を進める見通しだ。
 ソフトウェア会社のグーグルが携帯電話メーカーのモトローラを買収したのとは反対に、ハードウェア会社の三星電子がソフトウェア会社の買収を推進するのだ。

 三星電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長は16日、
「ソフトウェアの買収合併(M&A)をさらに強化しなければならない」
との考えを示した。
 崔志成(チェ・ジソン)副会長、李在鎔(イ・ジェヨン)社長ら三星電子幹部役員らとの昼食の席でのことだ。
 これまでソフトウェア人材と技術を確保すべきと話していたが、さらに一歩踏み込んでM&Aまで取り上げたものだ。
 三星グループの金淳沢(キム・スンテク)未来戦略室長は17日に記者らにこうした李会長の前日の発言を伝えた。
 李会長はまた、この席で
「情報技術(IT)産業のパワーが三星のようなハードウェア会社からソフトウェア会社にシフトしているという点に注目しなければならない」
という話もした。

 三星電子のある幹部は、
「グーグルがモトローラを買収したのはソフトウェアであれハードウェアであれ、一輪だけでは競争するのが厳しい時代になったことを示すもの。
 三星電子もハードウェアとソフトウェアの競争力を兼ね備えた融合企業にならなければならないというのが李会長の考えだ」
と説明した。
 三星電子はM&Aの検討対象をスマートフォン用基本ソフト(OS)技術を持つ企業に限定しない方針だ。
 三星電子関係者は
「すぐにスマートフォン用OSが必要なのではなく、基盤技術と人材を確保し中長期的にソフトウェアの側面から競争力を高めるのがM&Aの目的」
と話した。

 三星電子は6月末基準で即現金化できる資産19兆7000億ウォン(約1兆4102億円)を保有している。
 ハードウェア会社がソフトウェア会社を買収した事例では、昨年インテルがセキュリティソフト会社のマカフィーを76億8000万ドル(約8兆2100億ウォン)でM&Aしたケースがある。
 グーグルはモトローラを125億ドル(約13兆3800億ウォン)で買収した。

 つまり、サムスンの資力ではモトローラの10%すらも買収できないということである。
 なら、優秀な人材を育てるしか道はない。
 そんな時間がサムスンに残されているだろうか。
 サムスン自体はアメリカ事業に買収されることはない。
 アメリカ企業にとってサムスンは魅力ある企業ではない
 もし、買収されるなら中国企業だろう。

 ソニーはアメリカの国際金融の手に落ちている。
 ニッサンはルノーの子会社になっている。
 サムスンが中国の会社になっても不思議はない。
 ただそのときは、GDPの1割を中国が握ることになる。
 韓国が中国の軍門にくだることになってしまう。
 その時期は近いかもしれない。
 今はなんでもあり、の世の中である


2011年08月18日15時05分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

韓国アイフォーン2次集団訴訟も準備 
アップルも積極的に対応か

韓国の消費者2万6691人が17日午前11時、米国アップル本社およびアップルコリアを相手取り、1人当たり100万ウォンずつ、計266億余ウォン(約19億円)にのぼる位置情報収集関連の慰謝料請求訴訟を起こした。

これに関し韓国メディアは、これまで無対応で一貫してきたアップル側も慰謝料の金額などを考慮し、今回の訴訟には積極的に対応すると予想している。
訴訟に参加した人は国内アイフォーン利用者の1%に満たないが、今回の集団訴訟が勝訴した場合、事態は手の施しようもなく広がるからだ。
現在、国内アイフォーン利用者は約300万人で、訴訟に参加できる資格を持つ利用者は100万人を超えると推定される。

今回のアイフォーン集団訴訟を推進している慶尚南道昌原(キョンサンナムド・チャンウォン)の法務法人ミレロ側は、今月末まで追加で訴訟参加者を募集し、2次訴訟も準備する計画という。

 泥沼に落ち込んでしまっている。
 明日のサムスンの姿が見えてこなくなっている。
 自分で自分の首をしめてどうするつもりなのだろう。


2011年08月18日16時32分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/922/142922.html?servcode=100&sectcode=120

【時視各角】魂なく肉体だけで支えられた国

先週、「S(スーパー)級天才を蹴った三星」というコラムで、自ら近づいてきた‘アンドロイドの父’アンディ・ルービンを逃した三星(サムスン)の話を紹介した。
 このコラムに対し、ある市民が印象的な意見を書いた。
 この市民は
 「韓国のS級人材は、SKY大学(ソウル大・高麗大・延世大)卒で、外貌と性格が良く、よく気が利いて、笑顔の印象がいい人から選ぶのではないのか」
と反問した。
続いて
 「仮に世界の傑出した経営者が韓国企業に入社願書を出していたとすれば、どういう結果になっていただろうか」
と指摘した。

「ビルゲイツ(マイクロソフト創業者)、スティーブ・ジョブズ(アップルCEO)、マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック創業者)=大学中退のため書類選考脱落。
 アンディ・ルービン=無名大学(米Uticaカレッジ)出身で書類選考脱落。
 セルゲイ・ブリン(グーグル)、ラリー・ペイジ(グーグル)、イーロン・マスク(スペースXのCEO)=名門(スタンフォード)大学院をなぜやめたのか。
 根気がなく夜勤ができないという判断で1次面接脱落。
 ネイサン・ミアボルド(インテレクチュアル・ベンチャーズ)=スペックは気に入るが、なぜ料理に狂ったのか、組織不適応が懸念されて最終面接脱落…」。

果たして私たちはこうした皮肉に「それはない」と自信を持って言えるだろうか。
  むしろ「いかなる志願者であれ、脱落させる理由は500種類以上は出てくる。
 (良い企業の)核心はその人を選ぶたった一つの理由をどう探し出すかだ」という鋭い忠告が胸が刺す。
 韓国はスペックで生きていく国
になって久しい。
  大学生は創意性との間に壁をつくり、資格試験と整形手術にすがっている。
 就職掲示板には
 「平凡な地方大出身、成績点3.4、TOEIC800点だが、私は大手企業に入れますか」
という不安な質問があふれている。

 先日グーグルが125億ドルでモトローラを買収した。
 三星(サムスン)電子とLG電子が「アンドロイド陣営の勝利」と万歳を呼んだとすれば、それは単純すぎる考えだ。
 グーグルは慈善事業をするところではない。
  まだお金にもならないアンドロイドの特許を守ろうと、こうした大きなギャンブルに出たはずはない。
 グーグルが狙う相手はアップルであるのは間違いないようだ。
 アップルはハードウェア+ソフトウェア+コンテンツの三拍子をそろえてお金をかき集めている。
  4-6月期、世界携帯電話市場に占める比率は5%にとどまったが、全体収益の66%にあたる80億ドルを占めた。
 アップルの閉鎖的な生態系と高い顧客忠誠度の勝利だ。
 こんなおいしい市場にグーグルが欲を見せないはずはない。

韓国は当分、アンドロイドの傘下に安住できるかもしれない。
  しかしグーグルがソフトウェア(SW)とハードウェア(HW)の両翼をつけたことで、アンドロイドの中立性は損なわれ始めた。
 有料化は時間の問題のようだ。
 9月にはマイクロソフトがノキアと手を組んでMangoを出す。
 世界情報技術(IT)の地図が3等分される見込みだ。
  韓国企業が独自の生態系を確保できない限り、IT三国時代では立場を失うしかない。
 米国版春秋戦国時代に私たちのモバイルの運命を任せることになるかもしれない。
 しかしアップルの成功神話も始まりは小さなものだった。
 2001年に入ったばかりの契約職員と入社5年目の職員が力を合わせてiPodを開発した。
  卓越したスペックでも専用機で招待したS級人材でもなかった。

これまで韓国は魂(ソフトウェア)もなく肉体(ハードウェア)だけでよく持ちこたえてきた。
 ついに李健熙(イ・ゴンヒ)三星(サムスン)電子会長が
 「私たちもグーグルのようにソフトウェア企業を合併するかもしれない」
と述べた。
 これ以上、魂なしにIT戦争で勝算を期待するのは難しいからだ。
  しかしもしかすると運命を握った人材は私たちの周辺に隠れているかもしれない。
 スペックとコネに窒息し、目立っていないだけかもしれない。
 経済も結局は人だ。
 スペックだけでは対応し切れない戦いが近づいている。
 人材を眺める私たちの社会の視点からまず変わる必要があるだろう。
 参考に昨年TOEIC・TOEFL試験に流れたお金は2000億ウォン(約150億円)にのぼる。
  国際化という基準では歓迎されることかもしれないが、創意性の面ではまさに悲劇的な統計だ。




朝鮮日報 記事入力 : 2011/08/19 07:41:24
http://www.chosunonline.com/news/20110819000004

韓国IT株、グーグルショックで急落

 18日のソウル株式市場は、グーグルのモトローラ買収をきっかけに、「IT大国」韓国の地位が低下するとの懸念が高まり、IT関連銘柄が軒並み急落した。

 有価証券市場(メーンボードに相当)では、サムスン電子が前日比4万3000ウォン(5.7%)安の70万9000ウォンまで下落した。
 下げ幅は2009年1月以来最大だった。ハイニックス半導体は12.2%安、 LG電子は6.1%安で、いずれも52週最安値を付けた。
 このほか、LGディスプレーが8.5%安、LS産電が4.5%安、サムスン電機が5.4%安、 LGイノテックが4.4%安など値がさのIT株が軒並み急落した。

  有価証券市場では今月に入り、電機・電子業種指数が12.8%下落。下げ幅はリーマンショック当時に1カ月で23.1%下落した2008年10月以来最大となっている。

 市場関係者は、欧米の財政危機、半導体やディスプレーの販売不振が重なり、投資心理が冷え込む中、グーグルによるモトローラ買収という悪材料が出たことがIT株急落の原因とみている。

 信栄証券のイ・スンウ研究員は
 「ハードウエア偏重だった韓国がソフトウエア競争で遅れ、『ITコリア』の地位が揺らぐという恐怖感の働いたのではないか」
と指摘した。
 背景には、一時的な業績不振ではなく、IT業界の変化から韓国企業が取り残されているいう懸念がある。
 このほか、米デルの株価が 10%暴落したことや、米アップルがシャープに10億ドル(約770億円)を投資する可能性があるとの報道があったことも、株価の下落要因となった。

 最近の株価急落で、主要IT企業の時価総額はリーマンショック当時の水準まで低下しているが、市場関係者は当面反発が見込めないと予想している。
 現代証券のキム・ドンウォン研究員は
 「以前3カ月単位で発注していた流通業者が、現在は1カ月単位での発注に切り替え、サムスンやLGの関係者からは『1 カ月先が見えない』という言葉が聞かれるほどだ。
株価の反発は、世界的に景気が回復する来年上半期前後になるのではないか」
と話した。


 サムスンの動きが激しい。
 なりふり構わずに突っ込んでいっているようだ。
 独裁システムの経営なので、トップの判断がそのまま反映される。
 動きはスピーデイーだが、果たしてそれでいいのか、もっと他に考えることがあるのではないかという内省がない。
 この動きの速さが韓国経済をここまで発展させたのではあるが、右肩上がりのときはそれが有効に働くが、果たしてピークを迎えて下げに転じたときそれが有効かどうかは不明である。
 上昇の場合は一点を見据えていればいい。
 下降の場合はすべての状況を見通して、その中からソフトランデイングできるものを慎重に探し出さないといけない。
 上昇の時のスタイルを下降に当てはめると、一直線に急降下しかねない。
 サムスンはいまその状態にある。
 目先にブル下げられたデータだけに食いついていっているような動きである。

記事入力 : 2011/08/23 07:41:57

サムスン電子、人文系ソフトエンジニア採用へ

 サムスン電子は近く、人文系の教養を備えたソフトウエアエンジニア300人を採用する。
 業界筋によると、同社はソウル大融合技術大学院、KAIST(韓国科学技術院)文化技術大学院などで就職説明会を開く。
 同社の李健煕(イ・ゴンヒ)会長は最近、優秀なソフトウエア開発人材を確保することを緊急の課題として指示していた。

 ソフトウエア開発には、技術力だけでなく、想像力、独創性など人文学的な教養が必要だ。
 米アップルのジョブズ最高経営責任者(CEO)も中退ではあるが、大学で哲学を専攻した。同CEOは
「アップルのDNAには技術だけでなく、人文学が溶け込んでいる」
と強調している。




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