2011年8月24日水曜日

大韓民国は「怒りの共和国」でもある

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2011年08月23日16時31分  [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/069/143069.html?servcode=100&sectcode=120

【コラム】 怒りの調節法を研究する時が来た

 民主共和国である大韓民国は「怒りの共和国」でもある。

①.相手をさげすむ政治家の放言、
②.相次ぐ集会やデモ、
③.溢れる悪質な書き込み、
④.世界最高水準の自殺率
がその証拠だ。

韓国社会がこんなにも怒りのエネルギーで溢れるのは、それだけ無視されたり不当な待遇を受けたりしていると考える個人や集団が多いという証だ。

怒りは家庭内暴力の背後にも潜む。
 キム・ソルビさんの話がそうだ。
 夫婦げんかの最中、自分の怒りを抑えられなかった父親は家に放火し、KAIST(韓国科学技術院)に通う息子、妻、そして自分の命まで奪ってしまった。
 いきなり家族全員を失い、火傷まで負った娘のソルビさんは病院で治療を受けている。

個人の怒りが集団化され生じる政治的な怒りは、時折その目的を達成することもある。
 行政都市移転の白紙化に反発した忠清道(チュンチョンド)の住民の怒りがその例だ。
 大統領はマニフェスト(選挙公約)を守れないことに対して国民に謝罪までしたが、彼らの怒りは変わらなかった。
 政府と与党は集団の怒りを解消しない限り政治運営が不可能だと判断し、原案に戻るしかなかった。
 また、怒りは世界史も動かせる。
 レーニンはプロレタリアートの怒りを利用し10月革命を成功させ、毛沢東は農民の怒りを引き出して中国共産党を勝利へ導いた。

ここで私たちが看過できないのは、怒りは怒りを生み出すという事実だ。
 政治的な怒りのウイルスは政治的領域のみにとどまるものではなく、社会全体に拡散し家庭にまで浸透する。
 そのため集団デモ、家庭内暴力、自殺の急増は互いに深く関連している。

これから私たちは怒りの原因や結果、そして調節法を綿密に研究すべきだ。
 リストラに関しては該当する会社に、独島においては日本政治に思い切り怒ればよい。
 しかし、
 計算は徹底かつ冷静でなければならない。

 国の生存も怒りの調節にかかっているからだ。

 すごい。 
 国の生存が怒りの調節にかかっているという。
 言葉がない。



2011年10月12日15時59分  [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/564/144564.html?servcode=100&sectcode=120

【コラム】怒りをこらえる中国人、怒る韓国人

韓国で6年間暮らし、いま中国生活2年目の私に、人々は北京とソウルでは何が違うかと尋ねる。
 韓国人と中国人はともに自国に対する自負心が強く、未来に対して前向きだ。
 両国国民とも教育水準が高く、喜んで家族や友人の世話をしようとする。
  にもかかわらず両国の文化的な違いはある。 中国人は環境が悪くても怒りを抑えながら平静を維持するのに慣れている。
 他人とも調和しようとする。
 一方、韓国人は熱心に働き、熱情的に生き、忠誠心が高く、信頼もできる。

こういうところは良い側面だ。
 しかし私のような外国人の間で、両国国民の弱点と評価する部分もある。
 次のようなことだ。

まず中国人は冷たく、意思疎通が難しく、すべてにう回的で、情実主義に染まり、皮相的で、抜け目がなく、独立的でないという点だ。
 一方、韓国人はあまりにも強圧的で、論争的で、多血質で、忍耐力が不足し、傲慢で、競争過剰という話が出てくる。
 こうした主張はもちろん韓国人と中国人の本性を十分に反映したものではないだろう。
 しかしこうした主張があるのは事実だ。

もう少し詳しく見てみよう。
  ほとんどの中国人は感情調節をよくする。
 中国人は、怒ることは体面を汚すことであり、自分を統制できないという意味としてとらえる。
 どれほどのストレスがあっても、私は怒りをあらわにする中国人の同僚をほとんど見たことがない。
 中国人が平和的ということではない。
 時々、中国人は怒る代わりにそれをう回するためマインドゲームをする方向を選択する。
 中国人が誰かを無視するように見える時、実際それは必ずしも相手を無視しているわけでない場合が多い。

中国人は明るい心を持つために冗談とゴシップを頻繁に使う。
 それがあまりにもひどくて仕事の妨げになるほどだ。
 中国人は熱心に働かない、怠けていると外国人が不平を言うのはそのためだろう。

中国の職場は意欲があったり率直な人を包容するような雰囲気ではない。
 このため最初は意欲的に働いても、すぐに現実と妥協することになる。
 中国の管理者は「だめだ」という言葉をよく使う。
 また部下に対して、リスクや責任が伴うことを避けて静かに過ごすよう要求する。
 特に国営企業にはこうした雰囲気が広まっている。
 「中国のメガトレンド」という本でジョン・ネイスビッツが指摘した通りだ。
 このような環境の中では、最善の方法は何かと考えて改善するよりも、じっとしていることだ。
 その代わり、もう少し便利になるために友人をつくり、後ほどよりよい地位を得られるようにネットワーキングも形成する。

韓国文化はどうか。
 韓国人が熱心に働くのは称賛に値する。
 しかし絶えずよくなろうとするため、不必要な葛藤や心理的な緊張関係を招くこともある。
 その結果が高い自殺率と公共場所での憤怒表出として表れる。
  ソウルで暮らす場合、絶対に飽きることはない。
 私も今まで生きてきて、酒を思う存分飲む集まりを持ったのはほとんど韓国の友達だった。
 韓国人はある約束をすれば、どんなことがあってもそれを守ろうとする。
 もしあなたが韓国人と友人になれば、彼は最後まであなたを守ってくれるだろう。
  韓国の職場環境はストレスが多いが、野望を持つ人には良い訓練場所になるはずだ。
 私も韓国で6年間暮らしたため、どんな困難でも克服できそうな気がする。

私は個人の時間だけは静かに過ごしたい。
  したがってどの国でもっと住みたいかと尋ねられれば「中国」と答える。
  しかしもし韓国の友人から酒の席に招待されれば、喜んで応じる考えだ。

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トム・マックリガー=北京でフリーランサーとして活動する米国人。
 中国ラジオインターナショナル(CRI)のエディターを務めた。
 韓国でも6年間ほど英字紙のコラムニストとして過ごした。


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