2011年8月23日火曜日

徹底節電で大停電の危機を克服

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● 朝鮮日報より


朝鮮日報 記事入力 : 2011/08/23 14:59:54

日本、徹底節電で大停電の危機を克服
15%節電、韓国も実行すれば5兆ウォン節約

 今月18日午後、東京の最高気温は37.2度まで上昇した。
 猛暑になるとエアコンなどの冷房の需要が増え、電力消費も急増する。
 しかしこの日、東京電力の電力最大使用量は昨年よりも10%低かった。
 電力供給の安定を示す「供給予備率」も10%を超えた。
 今年3月の東日本大震災後、大停電の恐怖に直面した日本で、真夏の蒸し暑い季節にも電力が余るという不思議な現象が起きている。
 政府が電力不足対策として、電力使用量の15%節減を目標に大々的なエネルギー政策を展開し、企業や家庭が積極的に賛同したおかげだ。
 電気を湯水のごとく使い、夏が来るたびに深刻な電力不足に陥る韓国とは対照的だ。

日本では38年ぶりに電力使用制限令

 大震災と原発事故に見舞われた日本は「計画停電」を行わなくてはならないほど深刻な電力難に直面した。
 問題は電力需要がピークの夏だった。
 稼働可能な全ての発電所の電力を合わせても、7‐8月の東京電力の供給能力は5620万キロワットにとどまるだろうと、日本政府は推定していた。
 一方、昨年夏の最大電力需要は6000万キロワット。
 電力消費が昨年と同程度になれば7%近くの供給不足に陥る計算で、大停電の恐怖が現実になりかねない状況だった。

 状況が深刻化する中、日本政府は今年7月1日から、東京電力管内と、大震災で直接的な被害を受けた東北電力管内に「電力使用制限令」を発動した。
 これは、過去の第1次オイルショック以降、38年ぶりのことだ。
 大企業など多くの電力を使用する1万5000カ所では、電力使用の15%削減が義務付けられた。
 大型施設の室内温度は28度以上に設定され、エレベーターの使用も半分にした。
 日産自動車、富士重工業、ホンダなど主要製造業では、木・金曜日は休み、土・日曜日に勤務するという変則勤務制を実施した。
 「電気を食べるお化け」ともいわれる自動販売機520万台も、25%の節電に協力した。

 一般家庭も15%の節電に乗り出した。
 「千葉市役所が市役所の外壁にツタを植え、室内温度を低く抑えた」
というニュースに、東京の住宅街でも多くの家がベランダにつる性の植物を植えた。
 エアコンを消して扇風機を回す(50%の節電)、窓に日よけを設置(10%削減)など政府が作成したエネルギー節約マニュアルを積極的に実行した。

 節電の努力のおかげで、東京は8月に入ってから3日間を除いて最高気温が30度を超える猛暑が続いたにもかかわらず、電力供給予備率が10%以下となった日は1日もなかった。
 また、8月に入って22日までの間に、15%の電力削減目標を達成した日も12日に上った。

 日本では電力使用量が大幅に減少し、不便なことも増えたが、都市の風景自体は変わっていない。
 日本の自動車生産が大震災以前の水準に回復するなど、産業生産も正常化している。
 また、デパートや商店はもちろん、電車も平常運行を行っている。

■「電力使用量15%削減すれば5兆6000億ウォンの節約に」

 今年の夏は集中豪雨などによる気温低下があったため、、韓国の電力状況は多少ましな状況だ。
 しかし、毎年夏には冷房の需要、冬には暖房の需要により電力不足に直面し、電力供給量を増やしている。
 しかし、無制限に供給を増やすのではなく、日本のように企業や家庭がエネルギー削減に取り組み、電気の過消費現象を解消すべきだという指摘も多い。
 2009年の時点で、韓国の国民1人当たりの電力消費量は8092キロワットと、日本(6975キロワット)を上回っている。

 エネルギー経済研究院のイ・クンデ電力政策研究室長は
 「韓国の年間電力消費額は37兆4000億ウォン(約2兆6500億円)に達する。
 韓国が日本のように15%程度電力使用量を削減すれば、1年で5兆6000億ウォン(約3970億円の費用を減らすことができる」
と話した。
 これは、所得や財産が少ない韓国の65歳以上の高齢者387万人に基礎老齢年金(2兆8000億ウォン=約1980億円を支払い、庶民家庭の乳幼児92万人に保育費全額(1兆9000億ウォン=約1350億円)を支給しても、1兆ウォン(約709億円)近く残る金額だ。


朝鮮日報 記事入力 : 2011/08/23 15:03:26

「エアコン客引き」 過度な電力浪費


 22日午後、ソウル市内の江南大路。道の両側に並ぶ建物の1階の店が、出入り口を開けたまま冷たいエアコンの風を放出していた、店の前を通る人たちがエアコンの風につられて、店の中に入っていく姿があちらこちらで目に付いた。

 ある衣料品店に入ったイ・ヒョンジュンさん(25)は
 「暑い中歩いていたら涼しい風を感じたので、自然に『ちょっと入ってみよう』という気持ちになった」と話した。
 近隣の衣料品店で服を買ったキム・ジンヒさん(22)も「特に買うつもりはなかったのに、冷たい風に誘われて入り、服まで買ってしまった」
と話した。

 この日、地下鉄2号線の江南駅と9号線の新ノンヒョン駅の間を走る江南大路沿いのビルの1階では、49店のうち37店が、エアコンをつけた状態でドアを開けて営業していた。
 半数の店は開け放った出入り口に「エアカーテン(出入り口に空気の層を作り、店内の冷気と外部の熱気を遮断する装置)」を設置していないか、あるいは設置していても稼働させていなかった。
 江南駅付近にある化粧品店の従業員(44)は
 「エアコンをつけてドアを開けておけば電力消費量は大きいが、そうするよう指示を受けているため仕方ない」
と話した。

 ここだけではなく、地下鉄4号線の明洞駅一帯や2号線の新村駅一帯など、店舗が密集する他の地域でも、エアコンをつけたままドアを開けて営業している店が多く見られた。
 このような道路沿いの店の「エアコン客引き行為」に対して、過度な電力浪費だという指摘が出ている。

 建国大学建築専門大学院のチョ・チャンヒョン教授は「施設や面積によって異なるが、ドアを開けたままエアコンをつけておくと、少なくとも10%、最大で50%以上、エネルギー使用量が増加する」と話した。
 出入り口を開けたまま営業している店は、売り場内部を涼しくするためにエアコンの温度設定を最大限に低く設定するため、電力消費量はさらに大きくなる。

 このように、電気使用量が大きいエアコンを1日中つけたまま営業できる理由は、一般家庭用の電気料金にだけ累進制が適用され、店舗や工場などで使用する電気には累進制が適用されていないためだ。
 例えば、小規模アパート(90平方メートル、日本のマンションに相当)で使用するエアコン(消費電力3000ワット)2台を1日12時間ずつ稼働させると、一般家庭では1カ月の電気料金がおよそ120万ウォン(約8万5000円)に達するが、店舗の場合は22万ウォン(約1万5600円)で済む。

 その上、現行法では「エアコン客引き行為」を規制するのは難しい。
 エネルギー利用規制関連法である「エネルギー利用合理化法」は、デパート、大型ビルなど全国478カ所の大型施設だけを対象としているためだ。

 知識経済部のエネルギー節約協力課では
 「エネルギー規制に対して、大規模施設からも営業妨害だという陳情が出ている。
 小規模店舗まで規制するのは難しい状況だ」
と話している。
エネルギー管理公団側は
 「現時点では、キャンペーンなどを通じて自発的な協力を期待するしかない」
とコメントした。

 電力が豊にあるならそれはそれでいい。
 日本は大震災直後の非常事態である。
 我慢すべきところはガマンしないといけないだろう。
 節電してナンボ浮くといった話ではない。
 今日本は、国をあげて耐えねばならぬ時代に入ってきている。
 それをやり通すことが求められており、それをやっているということであろう。
 勝手なわがままがゆるされる時ではないということだ。


NHKニュース 2011年8月30日 4時3分

電力使用制限 緩和へ最終調整

 政府は、東京電力と東北電力の管内で法律に基づいて実施している電力の使用制限について、猛暑のピークは過ぎたとして、当初の予定を前倒し、このうち東京電力の管内では来月9日で解除する方向で最終的な調整を進めていることが分かりました。
 東日本大震災による電力不足に対応するため、政府は、東京電力と東北電力の管内で先月1日から大口の利用者に対し、法律に基づいて15%の節電を求める使用制限を実施しています。
 この使用制限は、東京電力の管内では来月22日まで、東北電力の管内では来月9日まで実施されることになっています。
 これについて政府は、猛暑のピークは過ぎ、電力需給が危機的な状況に陥る可能性は低くなったとして、制限を緩和する方向で最終調整しています。
 具体的には、東北と関東の大震災と新潟・福島豪雨の被災地での大口利用者に対する使用制限は来月2日で終了し、これ以外の東京電力管内での使用制限は当初の予定を2週間前倒しして来月9日までで終了する方向です。
 一方、被災地を除いた東北電力管内では、予定どおり来月9日までで終了する方向です。
 ただ、残暑が予想以上に厳しくなると電力需要が大きく伸びる可能性もあることから、特に東京電力管内の企業や家庭などに対しては、努力目標として、15%の節電への協力を呼びかけることにしています。
 この方針について政府は詰めの調整を行ったうえで、早ければ30日にも発表することにしています。



2011年10月28日09時45分  [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/049/145049.html?servcode=A00&sectcode=A00

「日本の電力大乱防いだのはITのおかげ」

 3月の東日本大震災と原子力発電所事故発生後の日本の最優先国家課題は電力不足と産業空洞化を防ぐための「エネルギー最適化」になった。
 日本の経済産業省の担当者は、
 「生活のあちこちに入ってきたIT機器がその鍵」
と強調した。
 27日にソウル・三成洞(サムソンドン)のCOEXで開かれた「第3回アジアグリーンITビジネスフォーラム」でだ。

この日の行事は知識経済部主催、韓国産業技術振興院・韓国生産技術研究院・韓国グリーンビジネス協会・韓国ITビジネス振興協会・中央日報・電子新聞主管でかれた。
 韓国・日本・中国・インド・インドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポール・タイ・ベトナムのアジア10カ国の企業と政策担当者70人余りが参加し、グリーンITに熱い関心を見せた。

主題発表を担当した経産省担当者は、地震後の日本の電力問題を解決した 「スマートコミュニティ」政策を紹介した。
 「今年の夏に日本中西部の原子力発電所を再稼働せず15%の電力縮小目標を超過達成した。
 ITを通じて建物と家庭の電力需要を正確に予測して供給したため」
と説明した。

2009年に始まったこのフォーラムはアジアの国同士でグリーンIT情報を共有すると同時に関連技術輸出がなされる場でもある。
 この日のフォーラムには富士通・NECのような日本の大手電子企業の役員が参加し、「データ電力効率化」のような自国の技術を伝えるのに力を入れた。
 NECの福井雅輝首席副社長はこの日の発表で
 「NTT・三菱・パナソニック・日立のような通信・電子会社が協力してベトナムとシンガポール、中国で省エネルギー案の分析を進めている」
と明らかにした。

韓国は1・2回の日本に続き今年初めて主催国になった。
 情報通信産業振興院(NIPA)のシン・ジェシク団長が「韓国のグリーンIT政策と事業現況」という主題発表を担当し、公認電子文書「ペーパーレス事業」により政府だけで1年に20万トンの紙を節減した成果を紹介し関心を集めた。
 フォーラムを終えた参加国はグリーンIT研究のために国レベルでの協力を約束し、こうした内容の共同声明を発表した。





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